《 7月15日 》

パラダイス(1650m) ⇒ トラウトレイク ⇒ フッドリバー

   7月15日、予定どおり4時に起床する。 夜中に聞こえたのはやはり雨音で、窓を開けると雨が降っていた。 朝食を食べながら外の様子をうかがっていたが、降り止む気配は全くないので、出発の準備をしてからWi-Fiの繋がるビジターセンターの入口で最新の天気予報を確認する。 予報は昨夜のものと変わらず、今日の午前中は曇りだが降雨の予報はなかった。 しばらく柴田さんと進退について逡巡していたが、5時を過ぎると雨は止み、それまで全く見えなかった中腹の山肌も見えてきたので予報を信じて出発することにしたが、いざ出発しようと外に出ると再び雨が降り出し、さらに雨脚が先ほどよりも強くなってしまった。 仕方がないので出発時間を遅らせ、6時過ぎに再度ビジターセンターの入口で最新の天気予報を確認すると、今日の予報は変わっていなかったが、明日のアタック予定日の予報はさらに悪くなり、昼間の時間帯は全て降雪マークがついてしまった。 数日前の快晴微風の絶好の予報とはまるで違う予報となってしまったことに呆然とし、また当てにならない予報に苛立ちを感じたが、これはもう現実を受け容れるしかなかった。 仮に明日の天気が再び少し良くなったとしても、この雨の中を出発することはあり得ないということで柴田さんと一致し、今日からの入山を中止することにした。 未明からの二転三転あるいはそれ以上のドタバタ劇に心身共に疲れ果て、しばらくベッドに横になったまま動けなかった。


未明からの雨は降り止む気配が全くなかった


明日のアタック予定日の予報はさらに悪くなった


未明からの二転三転あるいはそれ以上のドタバタ劇に心身共に疲れ果てた


   雨は依然として降り止まず、予約をしていない場合の登山許可証の申請方法をレンジャーステーションで再度確認してから昼前にホテルをチェックアウトする。 天気予報を見る限り、明後日以降は風が強い悪天候の日が続くため、下山後の予備日で登ることを検討していたマウント・アダムスに登ることを提案し、その入山許可を取るためにトラウトレイクという町のレンジャーステーションに向かう。 パラダイスからの距離は107マイル(171キロ)、所要時間は3時間少々だったが、ナビでの最短ルートを選択したところ、途中から未舗装の林道のような道を走行することになった。


予約をしていない場合の登山許可証の申請方法をレンジャーステーションで再度確認する


雨のリフレクションレイク


トラウトレイクへ未舗装の林道のような道を走行する


   パラダイスから3時間半ほどでトラウトレイクのレンジャーステーションに着いたが、トラウトレイクは予想よりもだいぶ小さな町だった。 レンジャーステーションからは山頂部に雲が纏わり付いたアダムスが見えた。 レーニアとは違って地元以外ではマイナーな山ゆえ、入山許可の手続きは至って簡単で、登山料の10ドルを支払ってザックに付けるタグと車に置いていくタグ、そして携帯トイレを受け取るだけだった。 レンジャーから登山口のコールド・スプリングスまでの行き方や登山ルートの説明を受け、霧が出るとルートを見失い易いのでGPSを持って行くように勧められた。


トラウトレイクのレンジャーステーション


レンジャーステーションの受付


ザックに付けるタグ(上)と車に置いていくタグ(下)


アダムスの登山ルート解説図


   アダムスへのパーミットが取れたので、次は近くのホテルを飛び込みで探す。 道路沿いにツーリスト向けのモーテルは幾つかあったが、いずれもオーナーや管理人が不在で、泊まる宿が決まらなかった。 仕方がないので26マイル(42キロ)ほど離れた一番近くのフッドリバーという町に向かう。 車中からネットで宿を予約し、到着の30分前に今日と明日の二日間の予約をすることが出来た。 幅の広い川(コロンビア川)を路面が鉄板で覆われた橋で渡る。 意外にもこの橋は有料(2ドル)で、橋を渡るとそこは隣のオレゴン州だった。 フッドリバーは予想以上に大きな町で、予約したモーテル『リバービュー・ロッジ』へはナビのおかげで迷うことなくスムースに行くことが出来た。 モーテルは一泊165ドルのツインルームだが、寝室が中で2つに仕切られているタイプで、値段の割には良かった。 オーナーからはネットで予約するよりも飛び込みで来た方が安かったと言われたが後の祭りだ。


フッドリバーで宿泊したモーテル『リバービューロッジ』


モーテルの室内


   時間が押してきたので今日の夕食と明日の朝食の買い出しに出掛ける。 町中にはレストランが沢山あったが、夕食はマクドナルドのハンバーガーをテイクアウトしてホテルで食べた。 明日のアダムスは日帰りで登るため、レーニア向けのパッキングを解いて準備をする。 明日の出発は早いので早めに床に就いたが、レーニアの今後のパーミットの取得について頭の中で整理していると、最速で明後日の朝7時から始まる申請をするためには、往復12時間以上を要するアダムスを登っている場合ではないことに今更ながら気がついた。


フッドリバーの大型のスーパー


夕食はマクドナルドのハンバーガーをテイクアウトしてモーテルで食べた。


モーテルから見たアダムス


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マウント・レーニア