《 7月14日 》

シアトル ⇒ パラダイス(1650m)

   7月14日、5時に起床したが、昨夜もまだ時差ボケで眠りが浅かった。 シータック空港駅を経て空港の入口まで10分ほど歩き、レンタカー各社が軒を連ねるレンタカーセンターへ無料のシャトルバスで向かう。 Thriftyの窓口で予約クーポン・国際免許証・パスポートを提示し、淡いシルバーのカローラを借り受ける。 カナダで乗って以来20年ぶりの左ハンドル・右側通行のため、また慣れないセダンのため、初心者マークの車のような運転でホテルに戻る。 日曜日の朝で交通量が少ないことがありがたい。


シータック空港の入口からレンタカーセンターへ無料のシャトルバスで向かう


Thriftyの窓口


淡いシルバーのカローラを借り受ける


   朝食を食べてホテルをチェックアウトし、レーニアの登山口で今日の宿泊地のパラダイスに向かう。 今回の旅でカーナビとして利用するグーグルマップでの距離は95マイル(152キロ)、所要時間は2時間15分ほどだった。 ホテルを出るとすぐに無料の自動車専用道路(フリーウェイ)の5号線に乗る。 アメリカらしく片側5車線もあったが、しばらくの間制限速度は60マイル(96キロ)だった。 日曜日ということもあり道路は空いていたが、日本のように猛スピードで走っている車はなかった。 フリーウェイは都市部では高架になっているので、シアトルの隣のタコマの町はタコマドームを見ただけで通過してしまった。 30分ほどでフリーウェイを降りて一般道の7号線に入ると間もなく田園地帯となり、信号機が殆どなくなった。 制限速度は50マイルから55マイル(80キロから88キロ)で、フリーウェイとさほど変わらなかった。 レストランやガソリンスタンド、そしてセブンイレブンなどがある小さな町を過ぎると沿線には全く何もなくなってしまったので、幹線道路を外れて下山後に滞在する候補地のイートンビルの町に立ち寄る。 イートンビルは何もない田舎町のように思っていたが、宿泊を検討しているモーテルの斜向いにはスーパーがあり、ガソリンスタンドやレストランも幾つかあった。 イートンビルからは笠雲がついたレーニアを入国してから初めて望むことが出来たが、タコマ富士という名称とは違い、その山容は荒々しかった。


朝食をホテルの部屋で食べる


イートンビルのスーパー


イートンビルから見たレーニア


   幹線道路に戻ってしばらく走ると、ホテルの予約が取れなかったアシュフォードという小さな町に着いた。 道路沿いにはレーニア向けの登山用品店があり、ハイエイドのダブルブーツを初めそれなりの品揃えがあった。 ガイド会社が運営している店のようで、ガイドの予約や登山用品のレンタルもやっていた。 アシュフォードから間もなくで国立公園の入口のゲート(ニスカリーエントランス)に着くと、ハイシーズンの日曜日ということで車の行列が出来ていた。 国立公園の入園料は有効期間によって2種類あり、私達は7日間有効の30ドルを支払ってゲートから園内に入った。 ゲートを過ぎると徐々に勾配が増し、カーブの回数も増えていく。 晴れてはいるものの山には雲や霧が纏わり付き、車窓からは肝心のレーニアは全く見えず、途中のロングマイヤーという国立公園の旧本部があった所から山頂が一瞬見えただけだった。


アシュフォードの町のレーニア向けの登山用品店


国立公園の入口のゲート(ニスカリーエントランス)


ロングマイヤーという国立公園の旧本部があった所から山頂が一瞬見えた


   途中色々と寄り道をしたため、パラダイスへの到着は正午近くになってしまった。 パラダイスには一番奥に今日から3泊予約したホテル『パラダイス・イン』があり、その手前にはビジターセンターの大きな建物があった。 これらの施設の駐車場は相当数が停められるだけのキャパはあるが、車をホテルになるべく近い所に停めたかったので、駐車場所を確保するのに時間が掛かった。 ホテルのチェックインにはまだ早いので、ホテルのレストランで昼食のバイキングを食べたが、30ドルの割にはそれほどの内容ではなかった。 後で分ったが、ホテルにはサンドウィッチやサラダなどが買える売店があり、ビジターセンターには簡易なファーストフードの店があった。


登山口のパラダイスの駐車場


パラダイスで宿泊したホテル『パラダイス・イン』


ホテルのレストランで昼食のバイキングを食る


   昼食後はホテルとビジターセンターの中ほどにあるレンジャーステーションに行く。 受付でレンジャーに予約確認証を提示し、申請書に必要事項を記入してその半券をパーミットとして受け取る。 レンジャーからは“お決まりの”携帯トイレ(ブルーバック)の使用方法や捨て場所の説明があったが、持参するロープの長さのみを聞かれただけで、登攀具の点検はされなかった。 明日から入山することを決めたため、ホテルのフロントでチェックインと明日以降2日分の宿泊のキャンセルを同時に行う。 キャンセル手数料は生じたが、宿泊代は戻ってくるようで安堵した。 ラウンジなどホテルの共用スペースは広いが室内は予想以上に狭く、日本の安いビジネスホテルのようだった。


ホテルのラウンジ


ホテルの室内


レンジャーステーション


レンジャーステーションの受付


申請書に必要事項を記入してその半券(右)をパーミットとして受け取る


携帯トイレ(ブルーバック)


   事前の情報どおりホテルではネットが繋がらず、唯一Wi-Fiが使えるビジターセンターに行って最新の天気予報を確認する。 意外にも盤石と思われたアタック予定日の16日の天気予報は悪くなり、昼前から降雪マークがついてしまった。 当てにならない天気予報にガッカリさせられたが、逆にまた良い方向に変わることを念じてハイキングコースの下見を行い、共用のシャワールームでシャワーを浴びた。 黄昏時になってようやくレーニアが見えるようになったので少し心が和らいだ。 夕食は売店で買ったサンドウィッチを部屋で食べ、早めに床に就いた。


天気予報を確認するため唯一Wi-Fiが使えるビジターセンターに行く


アタック予定日の16日の天気予報は悪くなり、昼前から降雪マークがついてしまった


ビジターセンターに置かれたレーニアのジオラマ


共用のシャワールーム


黄昏時になってようやくレーニアが見えるようになった


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マウント・レーニア