《 5月20日 》

A.B.C(6400m)

   5月20日、テントサイトに陽が当たり始めた6時半に起床し、食料や装備品などを整理してアタックの準備を始める。 昨日は気持ちの昂ぶりで眠りは浅かったが、睡眠酸素の力を借りて久々のA.B.Cとしては良く眠れた。 今日出発する可能性があったため、朝の食卓は緊張感に包まれていたが、朝食後に倉岡さんがエイドリアンやアンドレアスなど同じエージェントに属する他隊のガイドやB.Cのカーリーと今後の天気予報やフィックスロープの予定日などを確認し、私達は当初の予定どおりC.1への出発は明日になった。

   今シーズンは未だにフィックスロープが張られていないことに加え、サミット・デイが限られているため、各登山隊の間ですでに駆け引きが始まっている。 天気の良い日に登山者が集中すると必然的に渋滞が起きるため、最悪の場合時間切れで酸素が無くなってしまうからだ。 もちろんどの隊もサミット・デイについては秘密にしているが、親しいサーダーやシェルパを通じて水面下で情報が漏れているのも事実だ。 私達のエージェントに属するアメリカ隊は人数が多いので23日と24日の半々ずつ、ヨーロッパ隊は23日、私達の隊は24日となった。 平岡隊は23日をサミット・デイに選んだようで、9時頃にC.1に向けて出発していった。

   午前中に明日からの3泊4日の山頂アタックの準備を終える。 昼前のSPO2と脈拍は85と70でとても良かった。 午後は雪が降ってきたので寒くなり、ダイニングテントで読書をしながら寛ぐ。 夕方のSPO2と脈拍は77と69だった。 夕食は3日連続でアンプルバにオーダーしたカツ煮を美味しく食べられた。


朝食の卵焼き


朝のA.B.Cのテントサイト


昼食の蕎麦と手巻き寿司


夕方のA.B.Cのテントサイト


夕食のカツ煮


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