《 5月2日 》

A.B.C(6400m) 〜 高所順応(6600m) 〜 A.B.C(6400m)

   5月2日、夜中の頭痛は気にならないほどのレベルだったが、右側の鼻詰まりが酷くなり、薬も完全に効くものではないことが分かった。 起床時のSPO2が64まで下がってしまったので、朝食前に30分ほど毎分0.5Lの酸素を吸った。 朝食は美味しく食べられたが、朝食後のSPO2と脈拍は73と96で、初めて脈拍が90を超えた。

   午前中は高所順応のハイキングでC.1方面に向かう。 昨日ほどではないが風が強くて寒い。 各隊のテントの数はB.Cと同じ数だけあるため、狭いスペースにテントがひしめき合うA.B.CはB.Cよりも賑やかに感じる。 ちょうど各隊がC.1への順応や荷上を行っているため、すれ違う人が多い。 細長いテントサイトを過ぎると、所々で雪がモレーンを覆い歩き易くなる。 1時間ほどでいわゆる“クランポン・ポイント”となり、各隊が登攀具をデポする青い樽が置かれた。

   クランポン・ポイントからは氷河の上を歩くことになるが、傾斜は引き続き緩やかでクレヴァスは無かった。 広い雪原のような所に向かっていくとC.1のあるノースコルへ登る雪壁が見え始め、多くの登山者が蟻の行列のように登下降しているのが見えた。 緩やかな登りは更に続き、間もなく雪原の最高点と思われる6600mを少し超えた所で今日の順応ハイキングを打ち切り、一休みしてから往路を戻った。

   テントに戻って昼食を食べ、午後はいつも以上に水分補給をしながら体力の回復に努めるが、昼過ぎのSPO2と脈拍は76と93で、脈がなかなか90を切らなかった。 夕食前にようやく脈拍は72になり、昨日のような頭痛は全くなかったので、今日も酸素なしで寝ることにした。


高所順応のハイキングでC.1方面へ向かう


細長いテントサイトを過ぎると、所々で雪がモレーンを覆い歩き易くなる


各隊が登攀具をデポする青い樽が置かれたクランポン・ポイント


クランポン・ポイントからC.1方面へ


6600m地点から見たC1への雪壁には多くの登山者が見えた


6600m地点から見たエベレストの山頂(中央奥)


6600m地点からA.B.Cへ


A.B.Cに戻る


昼食のスパゲティ


夕食の和風カレー


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エベレスト