《 4月30日 》

A.B.C(6400m)

   4月30日、鼻詰まりで良く眠れなかったが、酸素を吸って寝たので頭痛はなかった。 A.B.CではB.Cよりも1時間近く早い6時半にテントに陽が当たり始めた。 進藤さんからいただいた鼻炎薬を朝食後に飲んでみると、鼻腔がピリピリして薬が効いていることが分かったので、当分の間この薬を飲み続けることにした。

   朝食後にサーダーのミンマが音頭をとり、登頂日に私達をサポートする3人のシェルパの紹介があった。 小柄で腰の低いギャルツェン(登頂2回)、強面で眼光の鋭いテンジン(登頂6回)、そして背が高くて優しそうなラクパ(登頂19回)の3人で、さすがにエベレストに抜擢されるシェルパだけあって、皆とても頼もしそうだった。 私達も簡単な自己紹介や抱負を語り、キッチンスタッフ共々皆で登頂を祈念した。 尚、ネパール人のシェルパ一人について中国(チベット)登山協会に支払うビザの額は6000ドル(邦貨で約66万円)とのことだった。


A.B.Cのテントサイト


朝食のパンケーキ


登頂日に私達をサポートするシェルパの紹介


簡単な自己紹介や抱負を語る


スタッフ全員との記念撮影


   今日はレスト日なので積極的に動き回るのは避け、居心地の良いダイニングテントの中で読書などをしながら過ごす。 本は星野道夫さんの『旅をする木』だ。 残念ながらA.B.Cには通信が届かない。 昼前のSPO2と脈拍は75と90で、数値は悪いが鼻詰まり以外では体調は良く、昼食も普段と変わらない量を美味しく食べられた。 昼過ぎのSPO2と脈拍は74と77で依然として数値は悪いが体調は良かった。 夕食前から少しずつ体内に蓄えた酸素が減り始め、軽い頭痛が始まった。 夕食も美味しく食べられたが、就寝前のSPO2と脈拍は68と82で予想より悪くなってしまったので、今夜も毎分0.5Lの酸素を吸って寝ることにした。


昼食のうどん


ダイニングテント


ダイニングテントの内部


キッチンテント


キッチンテントの内部


夕食のトンカツ


毎分0.5Lの酸素を吸って寝る


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エベレスト