《 8月25日 》
ビシュケク(900m)
8月25日、町に下ってきてからずっと晴れの天気が続いている。 さすがに降水量が日本の数分の一だけあって、この国の晴天率は高い。 鼻水に鼻血が混ざらなくなり、煩わしい頭痛もようやく治った。 朝食のバイキングで昨日の山本夫妻と再会した。 これからチェックアウトし、国内で一番大きいイシク・クル湖への観光に行かれるとのことだった。 隣の席には日本人の4人のグループがいたので話を伺うと、意外にも帝京大学の教授と研究員で、このホテルの地下室で世界遺産の調査を行っているとのことだった。 キルギスで日本人に出会うことはないだろうと思っていたが、昨日から立て続けに出会いがあって面白かった。
朝食後に同大学の教授のご好意で地下室の作業場を見学させていただく。 教授からの説明によると、世界遺産に登録されている『アク・ベシム遺跡』から出土した8世紀くらいの屋根瓦や土器の修復作業を、すでに1か月くらいここで行っているとのことだった。 世界の隅々に各分野で活躍されている方がいることを知り、ビシュケクでの滞在も無駄ではなかった。
午前中は町中の散策を兼ね、工藤さんとホテルから3キロくらい離れた百貨店の『ツムデパート』に歩いて向かう。 メインストリートの両側には大統領府、アラトー広場、キルギス国立大学そして国立歴史博物館などが見られた。 ツムデパートは庶民的なデパートで、5階建ての最上階は催事場になっていて民芸品が売られていた。 1階のフードコートで食べたラーメンは少し辛い韓国製のインスタントラーメンで笑えた。
午後は路線バスに乗り、新しく出来たショッピングセンターの地下にある大きなスーパーマーケットを見て歩いた。 店内の品揃えはまずまずだったが、やはり生の魚は皆無で、冷凍のものしかなかった。 この国の人は殆ど魚を食べていないように思えた。 ホテルへの帰路、C.1で雑談を交した韓国人の若者と再会した。 彼も登れなかったとのことで傷を舐めあったが、本当に世の中は狭いものだ。 一昨日昼食を食べたレストランで音楽ショーを聞きながらビシュケクでの最後の晩餐とした。