《 8月17日 》

C.2(5400m) 〜 C.3(6100m)

   8月17日、一晩中風が吹いていたが、頭痛は一切なく疲れていたので良く眠れた。 辛い夜を過ごした前回とは全く違うのが嬉しい。 起床前のSPO2と脈拍は77と58で体調は良く、朝食のカップそばを2個くらい食べられそうな感じだった。 ありがたいことに天気は今日も快晴で、風もようやく収まった。 エージェントのスタッフがC.3への荷上げのためC.1から上がってくることになっていたが、若い女性が荷物のパッキングをビシュヌとやっていたので驚いた。 C.2からC.3への荷上げは1キロ当たり8ドルとなっていて、私の荷物は7キロだったので56ドルをその場で支払った。


体調は良く、朝食のカップそばを2個くらい食べられそうな感じだった


C.3への荷上げをするのは若い女性スタッフ


先行する女性スタッフ


   ビシュヌを先頭に8時半前にC.2を出発する。 顕著な広い尾根に乗るまで風は殆どなかったが、尾根に上がってからは昨日と同じように風が徐々に強まり、以後C.3まで吹き止むことはなかった。 風は色々な方向から吹くばかりか、時々飛ばされそうになるほどの突風が吹くので、その都度足を止めて耐風姿勢をとらなければならなかった。 レーニン・ピークの山頂のみならずC.3付近にも雪煙が舞っていたので、主稜線には更に強い風が吹いているのだろう。 前回と同じように指先が時々冷たくなり、ダウンミトンをするかどうか迷ったが、オーバー手袋の中で指を丸めて暖め、ダウンミトンは使わずに登り続けた。 一方、前回よりも順応が進んでいるため、登ることに関しては全く問題なく、むしろ余裕すらあったので、明日の登頂への手応えをひしひしと感じて胸が高鳴った。 登れば登るほど風は強くなり、私達の荷物の荷上げを終えて下ってきたスタッフの女性から、上はもっと強いと言われて嫌になる。 休んだり止まったりすると寒いので、休憩もそこそこに登り続け、C.2を出発してからちょうど5時間が過ぎた1時半前に最終キャンプ地のC.3(6100m)に着いた。 C.3では予想どおりそれまで以上に強い風が吹いていたが、むしろその冷たさが前回と同じように尋常ではなかった。

 

C.2から顕著な広い尾根に乗るまで風は殆どなかった


C.3付近には雪煙が舞っていた


尾根に上がってからは風が徐々に強まり、以後C.3まで吹き止むことはなかった


C.2とC.3の間から見たレーニン・ピークの山頂


登れば登るほど風は強くなった


C.3直下から見たレーニン・ピークの山頂


C.2を出発してからちょうど5時間で最終キャンプ地のC.3に着いた


C.3ではそれまで以上に強い風が吹いていた


   他の隊よりも早く着いたので、エージェントのテントは空いていたが、テントキーパーから一番端の新しいテントを勧められたので、爆風から逃れるように中に転がり込んだが、一番風上だったためテントがバタついて落ち着かなかった。 間もなく到着した工藤さんと今日も一緒になった。 先程までの好調さが嘘のように、しばらくすると頭が熱くなり、軽い頭痛が始まった。 疲労で顔が少しむくみ目も腫れていた。 SPO2と脈拍は74と90で、気分も少し悪かった。 強い風はなかなか止まなかったが、夕方になってようやく収まった。 平岡さんから、明日は1時に起床し、1時半から朝食と行動用のお湯を配り始め、2時半に出発するという説明があった。 もし出発時に風が強ければ、風が弱まるまで待機するとのこと。

   夕食前のSPO2と脈拍はようやく86と68となり、食欲はあまりなかったが夕食のフリーズドライのカレーは予定した分を完食出来た。 夕焼けに染まるレーニン・ピークの写真を撮りたかったが、今日は自重してシュラフにもぐり込んだ。 周囲が暗くなると一旦収まった風が再び強く吹き始め、テントの生地がシュラフに当たって全く眠れなくなってしまった。 日付が変わってもこの状況は変わらず、2時半の出発は無理かと思えた。


C.3のテントサイト


工藤さんと今日も一緒になった


夕食のフリーズドライのカレー


B A C K  ←  《 8月16日 》

N E X T  ⇒  《 8月18日 》


レ ー ニ ン ・ ピ ー ク    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P