《 8月13日 》

C.2(5400m) 〜 C.3(6100m) 〜 ラズレルヤナ・ピーク(6148m) 〜 C.2(5400m)

   8月13日、予想どおり頭痛と鼻詰まりに悩まされる辛い夜を過ごして5時に起床。 起床後のSPO2と脈拍は77と68で昨夜とあまり変わらなかった。 睡眠不足だが体調は決して悪くない。 朝食のカップそばも美味しく食べられた。 テントサイトは足場が不安定な岩の上なのでトイレの場所に困る。 予報どおり天気は昨日にも増して快晴で、レーニン・ピークの山頂はもちろん、これから向かうC.3(6100m)へのルートも良く分る。

   ご来光を拝み、予定よりも少し遅れて6時半過ぎに最終キャンプ地のC.3に向かう。 C.2から先はルート上にクレヴァスはないとのことで、ロープは結ばなかった。 平岡さんを先頭に岩場と氷河の境目のやや急な斜面をトレースに従って登っていく。 山本さんはビシュヌと共に少し遅れて出発するようだ。 順応不足で寒さを感じるため、フリースの上に薄いダウンジャケットを着ていくが、5分もたたないうちに指先が冷たくなり、ダウンミトンを持ってこなかったことを後悔した。 ロープを結んでいないので、ペースを昨日にも増して抑え気味に登る。 1時間ほどで顕著な広い尾根に乗ったので一息入れる。 レーニン・ピークの山頂にも陽が当たり始めた。

 

C.2のテントサイトは足場が不安定な岩の上なのでトイレの場所に困る


C.2から見たC.3(ラズレルヤナ・ピーク)方面


岩場と氷河の境目のやや急な斜面をトレースに従って登る


顕著な広い尾根に乗る手前


顕著な広い尾根に乗る手前から見たC.3(ラズレルヤナ・ピーク)


   幅の広い緩やかな尾根歩きは正に稜線漫歩で、見える景色もスケールが大きくて素晴らしい。 陽射しも強くなり、ようやく指先の冷たさが無くなった。 やや風はあるものの絶好の登山日和となったが、他のパーティーとのスケジュールが違うためか、不思議と前後に人影は全く見られなかった。 歩きながら僅かな頭痛が始まったが昨日ほどではない。 二つ目の小さなマウンドの上はちょっとした平坦地になっていてテントが1つ張られていた。 その先にはC.3があるラズレルヤナ・ピーク(6148m)の頂稜部が大きく立ちはだかっていた。

   C.3(ラズレルヤナ・ピーク)への取り付きで一息入れ、やや急な斜面を直登気味に登る。 C.3までの標高差は200mほどだろう。 クラストした斜面の傾斜は少ずつ増し、フィックスロープが欲しくなるほどだ。 昨シーズンは階段状のトレースがあったとのことだが、今シーズンは降雪が少なかったようでアイゼンの爪跡と所々に残る靴跡を拾いながら登る。 登山靴が長靴タイプでないのがここにきて功を奏した。 左手に見えるレーニン・ピークの山頂が少しずつ近づき、その大迫力に息を呑む。 山頂へのルートが良く見えるようになると傾斜が緩み、一休みしながら後続の工藤さんを待つ。 間もなくC.3のテントが見えてくると、風が一段と強まってきたが、その冷たさは尋常ではなかった。


幅の広い緩やかな尾根歩きは正に稜線漫歩だ


幅の広い緩やかな尾根から見たレーニン・ピークの山頂


二つ目の小さなマウンドの上はちょっとした平坦地になっていてテントが1つ張られていた


C.3(ラズレルヤナ・ピーク)への取り付きで一息入れる


取り付きからはやや急な斜面を直登気味に登る


後続の工藤さん


左手に見えるレーニン・ピークの山頂が少しずつ近づき、その大迫力に息を呑む


   予想よりもだいぶ早く11時半に今日の目標の最終キャンプ地となるC.3(6100m)に着いた。 広い平坦地になっていたC.3には人影はなかったが、雪に囲まれた各エージェントの常設テントや個人隊のテントが合わせて20張ほどあった。 レーニン・ピークの山頂はもちろん、レーニン・ピークの反対方向には今まで見えなかったジェルジンスキー・ピーク(6717m)が見えた。 風が強いC.3には留まっていられなかったので、予定には無かったが指呼の間のたおやかな丘のようなラズレルヤナ・ピーク(6148m)の山頂まで足を延ばすことになった。 再び指先が冷たくなってしまい、オーバー手袋の中で指を丸めながら歩く。 

   C.3からは一旦少し下り、緩やかに登り返す。 正午ちょうどに平岡さんと田路さんと共にラズレルヤナ・ピークの山頂に立ち、少し遅れている工藤さんは待たずに写真だけ撮ってトンボ返りでC.3に引き返す。 C.3の手前で工藤さんと合流し、数日後の再訪を誓って一緒にC.2へと下った。 ようやくC.3に泊まると思われる後続のパーティーの姿が見られるようになり、間もなくビシュヌと共に登ってきた山本さんとすれ違ったが、平岡さんの判断でC.3まで登らずに一緒に下山することになった。 トレースが一層明瞭になった下りのスピードは速く3時前にはC.2に戻れたが、さすがに6000mオーバーの順応登山は疲れた。 

   夕方のSPO2と脈拍は74と74で脈がなかなか下がらなかった。 夕食は昨日と全く同じフリーズドライのカレーだったが、残念ながら完食は出来なかった。 C.3での寒さが堪えたのか鼻水が止まらなくなり、日本から持ち込んだ風邪がまだ治っていないことが分かった。


最終キャンプ地となるC.3とたおやかな丘のようなラズレルヤナ・ピークの山頂


ラズレルヤナ・ピーク(6148m)の山頂


ラズレルヤナ・ピークの山頂から見たジェルジンスキー・ピーク


ラズレルヤナ・ピークの山頂から見たレーニン・ピーク


写真だけ撮って山頂からトンボ返りでC.3に引き返す


C.3から見たレーニン・ピーク


C.3からC.2へ下る


トレースが一層明瞭になった下りのスピードは速かった


夕食は昨日と全く同じフリーズドライのカレーだったが、残念ながら完食は出来なかった


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