《 9月19日 》

A.B.C ( 5 7 0 0 m )

   9月19日、天気予報では悪天候のはずだったが、朝起きてみたらとても良い天気だった。 昨日の6000mオーバーの順応登山が功を奏したのか、嬉しいことに夜中に頭痛で目が覚めることはなかった。 起床前のSPO2と脈拍は75と60で体調は数値以上に良く、鼻の具合も良く咳も出なくなった。 放射冷却でテント内の気温はマイナス2℃だった。 今日は午前中にプジャ(祈祷)をするため、 早朝からスタッフ達がその準備で忙しく動き回っていた。 朝食は昨日の夕食で残ったてんぷらをトゥクパ(うどん)に入れ、“てんぷらうどん” にして食べたが、とても美味しく食べられたことが嬉しく、そして当たり前のことが不思議に思えた。

   スタッフ達の手慣れた段取りで祭壇が完成し、9時から登山の安全を願うプジャが始まった。 ラマ僧はA.B.Cには呼べないので、少年時代に僧侶として修業したことがあるいうニマ・ヌルが経文を唱え、いつもと変わらないプジャが始まった。 1時間ほど経文が唱えられた後、祭壇を中心にタルチョが四方に張り巡らされ、お米を空に向かって放り投げ、ツァンパ(小麦粉)を顔に塗り合ってプジャはクライマックスを迎えた。 お神酒やお供えのお菓子を頂いた後はいつもなら余興のシェルパダンスという流れになるが、あいにく踊るだけのスペースがないのでシェルパダンスは披露されず、代わりに星野さんが持参したコスプレの道具で大いに盛り上がった。


天気予報では悪天候のはずだったが、朝起きてみたらとても良い天気だった


早朝からスタッフ達がプジャの準備で忙しく動き回っていた


祭壇へのお供え


祈祷してもらう登山用品


いつもと変わらないプジャが始まる


少年時代に僧侶として修業したことがあるいうニマ・ヌルが経文を唱えた


祭壇を中心にタルチョが四方に張り巡らされた


お米を空に向かって放り投げる


ツァンパ(小麦粉)を顔に塗り合う


星野さんが持参したコスプレの道具で大いに盛り上がった


プジャが無事に終わる


   昼食後も引き続き体調が良かったので、スタッフにお湯を沸かしてもらい、シャワーで洗髪をした。 風邪をひくのが嫌なので体は洗わなかったが、頭を洗っただけでもとてもリフレッシュすることが出来た。 SPO2と脈拍は80と64で体調も数値もこの高度ではまずまずだ。 夕方にまた雪が少し降ったが夜には晴れて金星が見えた。 夕食も美味しく食べられ、まるで一つ前のB.C(4900m)にいるような感じで、出発前に危惧していたA.B.Cでの滞在が問題なく出来ていることを実感した。 夕食後はサーダーのペンバと協議し、明日は一日レスト(休養日)で明後日からC.2タッチに行くことになった。


昼食のカレー


夕方にまた雪が少し降ったが夜には晴れた


夕食のイワシのフライ


食事の出来栄えを聞きに来たドゥルゲ


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