《 7月29日 》

B.C(4050m)

   7月29日、7時に起床。 一晩中テントが飛ばされそうな強風が吹き睡眠を妨げられた。 意外にも雨ではなく雪で、B.Cは一面銀世界となっていた。 朝食は味の薄いお粥だったので、塩昆布を入れて食べた。 昨日の夕食時に同席したドイツ隊は今日C.2まで登ると言っていたが、さすがにこの天気では出発しなかった。

   B.Cの家型のテントは一見快適そうに見えるが、布製のテントは外張りのほころびたビニールシートから雨を吸収し、床に敷いてあるスポンジのマットまでびっしょり濡れてしまった。 テントの中に置いてあった衣類やポーチに入れておいた書類や雑貨なども水を吸ってしまい、一日中それらを乾かすことに奔走したため、ゆっくり休むことが出来なかった。

   雪は午前中しんしんと降り続き、テントの外張りに積もった湿った雪を時々内側から叩いて落とす。 正午のSPO2と脈拍は89と53で、数値も体調も良かった。 昼食時の食堂は今までになく満席となり、スタッフ達を除いて50人以上もいる。 キッチンは女医さんも含め少人数で対応しているため、料理の質や量が明らかに落ちた。 最初は美味しいと思ったB.Cの料理もだんだん不満を感じるようになったが、それでもB.Cにいれば体調は良いし、何をやっても不安を感じることはないので文句は言えない。 湯ざましのお湯もすぐに底をついてしまうため、何事も早め早めの行動を強いられる。 トイレは個人用テントから遠いので、時間帯を見計らって行かなければならない。 案の定、密閉性のないトイレは、雨漏りでトイレットペーパーが使い物にならなくなっていた。

   3時過ぎにようやく雪が降りやみ、夕方にはハン・テングリが見えるようになった。 夕食時の食堂はさらに多くの人達で膨れ上がり、夕食の開始時間も30分ほど遅れた。 B.Cの高度(4050m)にはほぼ順応出来たようで、食欲は順応に行く前よりも明らかに旺盛となった。 夕食後のSPO2と脈拍は87と67で、相変らず数値も体調も良いが、ふくらはぎの筋肉痛は治らなかった。


雪でB.Cは一面銀世界となった


テントの中に置いてあった衣類などが濡れてしまったので、一日中それらを乾かすことに奔走した


昼食時の食堂は今までになく満席となった


昼食のメインディッシュ


夕方にはハン・テングリが見えるようになった


夕食のインスタントラーメンを使った料理


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ハン・テングリ