《 7月19日 》

カルカラ(2200m) 〜 裏山ハイキング(2900m) 〜 カルカラ(2200m)

   7月19日、7時前に起床すると、ヘリが飛んでいく音が聞こえた。 夜中はずっと風が強く、テントがバタついて熟睡出来なかった。 テントの中は16度と少し寒さを感じるくらいだ。 起床後のSPO2と脈拍は94と64で、睡眠不足のためか脈が少し高かった。 朝食のオートミールは麦だけの甘さで珍しく美味しかった。 今日は明日からのB.C入りに備え、キャンプ場の裏山へのハイキングで体を慣らす。 特に目標とするピークはないが、標高3000m位の所まで登るつもりだ。 裏山は山全体がお花畑となっているようで楽しみだ。

   9時にメンバー4人でキャンプ場を出発。 明け方は涼しかったが、次第に暑くなってきた。 すでに一面がお花畑となっている平らな草原の中の踏み跡を辿って行く。 周囲に咲乱れる花々は高山植物のように小さいものばかりではなく普通の山野草も多いが、とにかく種類と数がべらぼうに多い。 飯塚さん夫妻からの情報どおり、正に“天国の花園”のようだ。 花が多過ぎるためか、意外にも虫は少ない。 踏み跡は次第にゆるやかな勾配となり、明日一緒にB.C入りするドイツ、イングランド、スペインそしてUSAといった他隊のメンバーが後ろから追いつき、そして足早に追い越していった。 天気が良く風もないので、日本の夏山のように暑く、1時間ほど歩いただけで大汗をかいた。 

   お花畑は途切れることなく、逆に上に行けば行くほど花の種類と数が増してくるようにさえなった。 これほど素晴らしいお花畑は今まで見たことがなく、ただただ写真を撮り続けるしか術がなかった。 予想外の暑さだけが玉にキズだ。 キャンプ場から1時間40分ほどでオレンジ色のタンポポが群生する峠に着いた。 峠からの展望は良く、僅かに残雪がある3000m級の山々が遠くに見えた。

   峠からは左方向への顕著な尾根を進み、40分ほどで最初の小広いピークに着いた。 ピークには涼しい風が吹いていて気持ち良かった。 スイスにも少し似た山の風景が広がり、寝転がったりしながらメンバー一同思い思いに寛ぐ。 しばらく休んでいると汗も引いたので、指呼の間の次のピークまで足を延ばすことにした。 岩が露出した次のピークではそれまで見られなかった花もいくつか見られた。 高度計の数字は2850mとなり、キャンプ場から標高差で700mほど登ったようだ。 

   ここを今日のゴールと決め、一息入れてからキャンプ場への道を戻る。 下山中に平岡さんから、カーリィー・タウを登らずにハン・テングリのみで順応活動をした方が登頂率の向上につながるため、その方向で行きたいという提案があった。 カ−リィー・タウはプレ登山ではあるものの、是非登りたかったので残念だが、こればかりは仕方がない。 どうやらポーターの手配が上手くいかなかったことも原因のようだ。 3時前にキャンプ場へ戻ったが、午後は曇ってくれたので、暑さに苛まれずテントの中で昼寝が出来た。 夕方のSPO2と脈拍は93と67だった。


キルギス側のキャンプ場


キャンプ場の傍らに置かれていたヘリ


朝食のサイドメニュー


キャンプ場の裏山へのハイキングに出発する


キャンプ場付近に咲く花々


紫色の花


黄色の花


青色の花


赤色の花


薄紫色の花


白色の花


他隊のメンバーが後ろから追いつき、そして足早に追い越していった


天気が良く風もないので、日本の夏山のように暑い


オレンジ色の花


これほど素晴らしいお花畑は今まで見たことがなかった


峠からの展望は良く、僅かに残雪がある3000m級の山々が遠くに見えた


峠からは左方向への顕著な尾根を進む


最初のピークで思い思いに寛ぐ


最初のピークで見た花


最初のピークからの展望はスイスの山の風景にも少し似ていた


指呼の間の次のピークまで足を延ばす


次のピークで新たに見た花


峠への尾根を下る


キャンプ場付近に咲く花々


夕食の馬肉


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ハン・テングリ