《 7日 》

ワラス(3090m)

   8月7日、晴れてはいるが山の方は雲が浮かび、今日も快晴の天気ではなかった。 アグリが言っていたとおり、今シーズンのペルーはラニーニャ現象の影響で乾期らしい快晴の天気の日があまりなかった。 その状況の中で計画した3つの山に登れたことは本当にラッキーだったと思った。 午前中は明日の帰国に向けての準備と片付けをする。 パルスオキシメーターをしまう前にSPO2と脈拍を測ってみると95と56で、もうすっかり地元の人と同じになった。

   約束した正午にアグリがタクシーでホテルに迎えにきてくれ、パチャマンカの会場となる町外れのベロニカの別荘に行く。 4年前にも一度パチャマンカで招かれた別荘は、ワラスの中心部から少しだけ山の方に入った所にあるが、別荘の周辺の道路では大規模な水道管の敷設工事をやっていた。 やはり今のペルーは好景気で、地方都市も着実に近代化が進みつつあることをあらためて実感した。

   別荘の広い庭ではマヌエル、メシアスそしてノルベルトがパチャマンカの準備をしながら、一方で今回の登山に使ったテントのメンテナンスや炊事道具の整理をしていた。 竈に入れる石が焼き上がると、マヌエル達は慣れた手つきでアルミホイルで包んだ肉とイモや豆をユーカリの葉や香草と共に竈の中に埋め始めたが、単に仕事ということではなく、彼らもその作業を楽しんでいるように思えた。 美味しい料理を食べるのはもちろんのこと、この一連の作業を見るのもパチャマンカの楽しみだ。 チーズや大粒のモロコシなどの前菜をつまみながら食材が蒸しあがるのを待つ。 今日は先日のワイワッシュでの打ち上げの宴とは違い、パチャマンカの料理を楽しみながら、次回来る時に是非登りたいチンチェイやアルテソンラフ、そしてワンドイといった山々の情報をアグリから詳しく聞いて有意義な時を過ごした。  

   マヌエル、メシアスそしてノルベルトの3人と再会を誓い、アグリとは明日の朝ホテルで会うことを約して別荘を後にし、タクシーに乗ってホテルに帰る。 夕方から最後の土産物の買い出しと夕食を食べに外出する。 以前一度だけ行ったことのあるツーリスト向けの中華料理店を探し当てたが、肝心の海老が品切れだったので、結局先日も行った中華料理店の『金叶酒家』で海老入りの野菜炒めを食べた。 この店で一番の人気メニューの炒飯を一人前頼むと、お皿にてんこ盛りの炒飯が出てきたので驚いた。


別荘の周辺の道路では大規模な水道管の敷設工事をやっていた


パチャマンカの会場のベロニカの別荘の広い庭


スタッフ達はパチャマンカの準備をしながら、テントのメンテナンスや炊事道具の整理をしていた


竈に入れる石を焼く


食材を蒸す竈


食材のイモと豆


竈に食材と焼いた石を交互に入れる


竈にユーカリの葉と香草を入れる


竈から蒸し上がった食材を取り出す


前菜のチーズと大粒のモロコシ


前菜のサラダ


シンプルだがとても美味しいパチャマンカの料理


パチャマンカの料理を楽しみながらアグリから山の情報を聞く


最後の土産物の買い出し


お皿にてんこ盛りの炒飯


B A C K  ←  《 8月6日 》

N E X T  ⇒  《 8月8日 》


ブランカ山群    ・    2 0 1 4 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P