《 6日 》
B.C(4600m) 〜 ビッコス(3250m) ⇒ ワラス(3090m)
8月6日、今日は登山口のビッコスの集落まで下山し、迎えの車でワラスのホテルに帰るだけなので、ゆっくりとテントサイトに陽が当り始めてから起床する。 風の当たらない穏やかなB.Cからは山頂の風の強さは分からないが、今日の方が風も弱く良い天気のように思えた。 朝食の温かいパンケーキがとても美味しく、昨日頑張ってB.Cまで下ってきて良かった。
スタッフ達に撤収作業を任せ、9時過ぎにアグリと三人でB.Cを発つ。 ワイワッシュ山群からスタートした今回の登山活動も実質的に今日で終わりだ。 コパの頂稜部が見えている間は何度も後ろを振り返って名残を惜しんだ。 下りは楽なはずだが、目標を失った身には麓までの道程が長く感じる。 森林限界手前の顕著な尾根を下り、標高が4000m以下になると、昨日の寒さが嘘のように陽射しで暑くなってきた。 暑さに苛まれながら牧草地まで下ってくると、荷物をロバに託したスタッフ達が涼しい顔で追いつき、追い越して行った。 麓の集落に着く手前で、スタッフ達がB.Cで下ごしらえしてきたランチを食べる。 閑散とした集落だが、今日はちょうど馬を使った脱穀作業の最中で、どこからともなく人々が集まっていた。 いつの間にかコパの頂稜部は黒い雲に覆われ、今日も山は良い天気にはならなかったようだ。
1時半過ぎにビッコスの最終集落の前まで車道を下ってくると、エージェントのワゴン車が待っていた。 後続のスタッフ達の到着を待っていると、意外にも皆どこかで着替えを済ませてきた。 若い彼らにとってはこれからが本番なのかもしれない。 ワゴン車の中でアグリがベロニカに下山の連絡を入れると、明日の予備日に町外れのベロニカの別荘でパチャマンカの宴を催してくれることになった。 道路が良くなったのでビッコスの集落から1時間ほどでワラスのホテル『コロンバ』に着いた。 部屋に荷物を搬入してもらい、ホテルの庭で私達のために今回も本当に良く働いてくれたアグリ、マヌエル、メシアスそしてノルベルトの4人に感謝の気持ちを伝えながらチップを手渡した。
スタッフ達をホテルの玄関で見送り、早速シャワーを浴びてさっぱりする。 明日の昼のパチャマンカに備え、夕食は先日と同じ路地裏のハンバーガーショップでハンバーガーを買ってホテルの部屋で食べた。