《 2日 》

ワラス(3090m)

   8月2日、雲はあるが今日も良い天気となり、ホテルの庭のブーゲンビリアの花も色鮮やかだ。 起床後のSPO2と脈拍は96と56で体調はもう万全かと思ったら、突然鼻血が出たので驚いた。 朝食をゆっくり食べ、約束した9時にホテルのフロントに行くと、アグリのみならず何故かベロニカも来ていた。 黒い革靴を履いたアグリはまだ葬儀の途中のようで、顏には疲れの色が見えていた。 アグリにお悔みの言葉をかけ、早速ロビーで明日からの登山の打ち合わせをする。 第一希望のチンチェイ(6222m)は、今シーズン殆ど人が入っていないのでH.Cまでのアプローチに時間が掛かり、実質7日間を要するとのことだったので、今回は残念ながら見送りとなった。 第二希望のランラパルカ(6162m)は5日間で登れるので明日からの出発で大丈夫だが、技術的に難しいのでマンツーマンでしか登れないとのことだった。 山のコンディションが悪い時のために最後の切り札としていたコパ(6188m)は、予備日を含めるとやはり5日間を要するが、緩やかな雪のスロープを歩くだけの易しい山で登頂率が高く、もちろん二人で登れるとのことだった。 ランラパルカに一人で登るか、コパに妻と二人で登るかしばらく悩んだ。 念のためどちらの山が展望が良いかをアグリに聞くと、どちらも素晴らしいとのことだった。 ランラパルカの方が山としては魅力的だが、イシンカ谷を辿ってランラパルカのB.Cへ行く道は、5年前にイシンカ(5530m)を登った時に通ったことがあり、コパは初めて辿るオンダ谷からB.Cへ登るため、山のネームバリューよりもトータル的な興味を優先させ、妻と登頂の感動を共有出来るコパを登ることに決めた。

   登る山がコパに決まったので、アグリから明日以降のスケジュールについて簡単な説明があった。 1日目はワラスから車で1時間ほどのマルカラという町からオンダ谷に入り、途中のビコスという集落からB.Cまで7時間ほど歩くとのことだった。 B.Cは眼前にコパを望むレヒアコーチャという湖の湖畔にあるようだ。 2日目はB.CからH.Cまで6時間ほど登り、3日目はH.Cから山頂を往復した後にB.Cまで下り、4日目にB.Cからビッコスへ下山するとのことだった。 ちょうど良い機会だったので、ベロニカとも帰国日の細かいスケジュールについて確認し合った。 明日の出発は7時半ということになり、アグリを労ってベロニカ共々フロントで見送った。

   昼食はホテルの部屋で日本から持参したフリーズドライのおこわ飯などを食べ、午後は市場に土産物を買いに出掛けた。 街中ではまた何かのイベントがあったようで、小規模ながらパレードをやっていた。 市場で買い物をしていると、偶然マヌエルに出会った。 夕食は昨日と同じ中華料理店の『金叶酒家』で鶏肉の唐揚げなどを食べた。


ホテルの庭のブーゲンビリアの花


街中ではまた何かのイベントがあったようで、小規模ながらパレードをやっていた


市場で偶然マヌエルと出会う


一般家庭用のチーズ


観光客向けのチーズ


路地裏の露店で土産物を物色する


『金叶酒家』の鶏肉の唐揚げ


色鮮やかなケーキ


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