《 28日 》

B.C(4300m) 〜 C.1(4800m)

   7月28日、昨日からの雨は朝まで降りやまず、夜中から雪となってテントにも少し積もった。 目の前のチョピカルキよりも次のチンチェイは大丈夫かと心配になった。 起床前のSPO2と脈拍は88と58で、数値は良好だ。 順応と疲労の蓄積が半々というところだろうか。 

   今日はモレーン・キャンプ(C.1)に向かう予定だが、朝食後もまだ雨がパラついていたのでしばらく待機していると、隣のオーストラリア隊ともう一つの隊が今日のうちにC.2まで行くとのことで先行していった。 カティとディアナは私達が出発した後はワラスに帰るとばかり思っていたが、4日後に私達がB.Cに戻るまでテントキーパーとして二人だけでここに残るということで驚いた。 

   ようやく青空が少し覗き、ワスカランの南峰が見えたので、カティとディアナに見送られてB.Cを9時過ぎに出発する。 昨日登った丘の上からワスカランに登るかのようにその方向に向かって進んでいく。 ガルガンタのコルから流れ出す氷河とワスカランの北峰も見え始めたが、肝心のチョピカルキは残念ながら見えなかった。 小さな氷河湖まで少し下ってから、大小の岩が堆積する顕著なモレーンの背に上がり、その縁に沿って明瞭な踏み跡を辿っていくと、大きなザックを背負った二人の若い男女のパーティーとすれ違った。 今朝C.2からアタックしたものの、降雪が激しくて登れなかったが、登っていったパーティーもいたという。 母国を聞くとオーストリアとのことで、頑張って登頂して下さいとエールを送られた。 予報に反して天気は回復せず、しばらくすると再び小雪が舞い始めた。

   天気が悪く休憩にもあまり時間を割かなかったので、1時過ぎに今日の目的地のC.1(4800m)に着いた。 シーズン中でも空いているテントサイトは、ワスカランからの振り替えや天候待ちなどで、すでに数パーティーのテントの花が咲いていた。 私達の直後に到着したスタッフ達は、休む間もなく少し下った所のテントサイトを整地し、快適な個人用テントを設営してくれた。 夕方まで小雪や小雨が降りやまず、テントの中でじっとして過ごす。 順応は十分なはずだったが、SPO2と脈拍は82と77で、昨日と同様に脈が少し高かった。

   ようやく小雪が降りやんだ6時に外で夕食を食べる。 アグリの話では、今朝C.2を出発したスイス隊の4人が、風雪が強い中をラッセルして登頂に成功し、同じC.1にいるということで嬉しくなった。 天気予報ではブランカ山群の降雪量は8センチということらしい。 夕食を食べ終わった時に、ガイドのダリオがようやくC.1に着いた。 今日はどこかの山から継続で来ているようで、登山口を4時に出発したという。 ダリオはとても陽気な性格で、チョピカルキは何度も登ったことがあるということで頼もしく思えた。


チョピカルキの南西稜のルート図


昨日からの雨は朝まで降りやまず、夜中から雪となってテントにも少し積もった


ようやく青空が少し覗き、ワスカランの南峰が見えた


アグリと無線の練習をするカティ


B.Cのテントキーパーを務めるカティとディアナに見送られてB.Cを発つ


昨日登った丘の上からワスカランに登るかのようにその方向に向かって進んでいく


ワスカランの北峰


大小の岩が堆積する顕著なモレーンの背に上がり、その縁に沿って明瞭な踏み跡を辿っていく


大きなザックを背負った二人の若い男女のパーティーとすれ違う


予報に反して天気は回復せず、しばらくすると再び小雪が舞い始めた


モレーン・キャンプ(C.1)には、すでに数パーティーのテントの花が咲いていた


C.1のテントサイト


小雪が降りやんだのでテントの外で夕食を食べる


夕食の鶏丼


夕食を食べ終わった時に、ガイドのダリオがようやくC.1に着いた


B A C K  ←  《 7月27日 》

N E X T  ⇒  《 7月29日 》


ブランカ山群    ・    2 0 1 4 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P