《 11月5日 》

    B.C ( 4 6 0 0 m )

   11月5日、当然のことながら昨夜は興奮して寝付けなかった。 工藤さんと利岡さんが今日から一泊二日でもう一度C.2まで登ることになり、7時にC.1に向かう二人を皆で見送った。 しばらくすると、案内役の一番若いナワ・チェリンがタバコを吸いながら二人の後を追って行った。  撤収と決まればスタッフの動きは早く、午前中にはパサンがヤクの手配を済ませて戻ってきた。 昼食はそのヤクの肉の卵とじ丼だった。 午後はB.Cの裏手の丘へ散歩に行くつもりでいたが、体調があまり良くないのでダイニングテントで日記を書く。 筆が進まないばかりか、登れなかった悔しさが再び蘇ってくる。 他の隊も共に撤収の準備を一斉に始めた。 他の隊にはヘリで帰る人もいるようで、何度となくB.Cにヘリが発着していた。 登頂祝いに用意された酒やビールがダイニングテントのテーブルに置かれ、飲みたい人は勝手に飲んでいる。  秋も深まってきたのか、風が冷たくなってきた。 毎日晴天が続くアマ・ダブラムを見ていると嫌になる。 山とは不思議なもので、登れたのであればいつまでもここにいたいような気分になるが、登れなかったらその正反対に早くここを去りたいと思ってしまう。 まるで恋人のようだ。 3時ごろC.1に着いた工藤さんから無線が入り、C.1のテントの数もだいぶ減ったとのことだった。 ネパールは他の国と違い、山に登るためには事前に登山許可(証)が必要なため、ロブチェ・イーストもすぐに登ることが出来ないようだ。 登山に要する費用は未定だが、スタッフの人数を最小限にして、前回のようにロブチェの近くにB.Cを作らず、その手前のトゥクラのロッジ(4620m)に泊まって、直接H.Cに入ることになった。


C.1に向かう工藤さんと利岡さんを皆で見送る


案内役の一番若いナワ・チェリン


他の隊も共に撤収の準備を一斉に始めた


他の隊にはヘリで帰る人もいるようで、何度となくB.Cにヘリが発着していた


2年前のマナスルでも一緒だったニマソナ


昼食のヤクの肉の卵とじ丼


登頂祝いに用意された酒やビール


夕食の炒飯


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アマ・ダブラム