《 10月19日 》
パンボチェ ( 3 9 3 0 m ) ⇒ ディンボチェ ( 4 4 1 0 m )
10月19日、起床後のSPO2と脈拍は90と61で、夜中の頭痛は無かったが、今度は持病の鼻詰まりであまり良く眠れなかった。 8時にロッジを出発し、一日遅れでディンボチェ(4410m)へ向かう。 今日も半日行程だが、焦ってもまだ当分山には登れないから仕方がない。 天気は昨日の朝と同じように曇り空で、昨日見えた山々のピークは見えない。 今日辿るルートがアマ・ダブラムを眺めるにはベストなので、本当に悪い年に来てしまったと悔しさが募る。 4000m台の雪は全く溶けておらず、このまま越冬してしまいそうな感じにさえ思えた。 イムジャ・コーラ(川)の右岸のルートは良く整備されていて歩き易い。 昨日に比べてアップダウンも少なくて楽だ。 メンバーの殆どは順応したようで、歩くペースは普段と同じになった。 さすがに空気は乾燥してきたので、マスクを着ける人が増えた。
ショマレ(4010m)の小さな集落を過ぎると間もなく茶店の先で道が分岐していた。 一般的にカラ・パタールやエベレストのB.Cへ行くのであれば、ここから分岐を左に行って、ペリチェ(4240m)、トゥクラ(4620m)、ロブチェ(4910m)と進む方が近いが、私たちはディンボチェでしっかり順応してから先へ進む計画のため、分岐を右に行って橋を渡り、再びエベレスト街道の支線に入る。 雲間から見えるローツェを正面に見ながら歩いていくと、間もなく今日の目的地のディンボチェの集落が前方に見えた。 ディンボチェの集落の手前からルート上に残雪が見られるようになった。 イムジャ・コーラ(川)の対岸のアマ・ダブラムの山裾の雪線も低く、ほぼ目線の高さだ。
パンボチェから2時間半ほどで今日から連泊するディンボチェの集落のロッジに着いた。 集落といってもロッジや商店のみで、昔から住んでいる人はいないとのことだった。 食堂で昼食を待っていると青空が広がり、初めて真っ白なアイランド・ピークが見えた。 ここはもう6000m級の山のB.Cほどの高さなので、昼食を美味しく食べられて良かった。 ロッジのシャワーはガス湯沸かし器でお湯が途切れないとのことで、妻共々初めてシャワーを浴びる(450ルピー/邦貨で500円)。 このロッジはパサンの親戚が経営しているとのことだが、寝室には珍しくトイレがあり、連泊する宿としては申し分なかった。
昼過ぎに皆で新しく出来たカフェに行く。 集落の背後に雲間から初めてタウツェ(6367m)が見えた。 カフェではケーキを注文した人もいたが、あまり美味しくなかったようだ。 値段はナムチェ・バザールとほぼ変わらず、コーヒーは200ルピーだった。 集落にいくつかある小さな雑貨店には食料品や雑貨がそれなりに置かれ、1リッターのミネラルウォーターが150ルピー、トイレットペーパー1巻が100ルピーだった。
夕方から再び霧雨となり、不安定な天気はもうしばらく続きそうだ。 順応はしにくいし、雪崩も心配だ。 メンバーが多いので気が紛れるのが救いだ。 スタッフからの情報では、アイランド・ピークはまだB.Cまでしか入れないとのことだった。 夕食はシェルパシチューに昨日と同じア・ラ・カ・ル・ト。 このロッジの食事は全般的に他と比べて美味しかったが、だんだん同じメニューに飽きてきたので、B.Cでの日本食が待ち遠しい。