《 10月9日 》

コト ( 2 6 0 0 m ) ⇒ シンゲンジェ・ダラムサラ ( 3 2 3 0 m ) ⇒ メタ ( 3 5 6 0 m )

   10月9日、トレッキング3日目。 今日からはメジャーなアンナプルナ街道を外れ、マイナーなナルコーラ(コーラとは川の意味)の深いV字峡の谷を、秘境と言われるプー村(4080m)に向けて辿っていく。 当初今日の目的地(宿泊先)はシンゲンジェ・ダラムサラ(3230m)というキャンプ地(テント泊)だったが、先行してB.C入りしているスタッフから、その先のメタ(3560m)というキャンプ地に新しくロッジが出来ているとの情報があり、少し大変だがその分明日の行程は短くなるので、メタまで行くことになった。

   早朝ロッジの屋上に上がると、生憎マナスルは雲の中だったが、隣のピーク29(7871m)と、それとは反対の方角にアンナプルナU峰(7937m)が大きく望まれ、ここぞとばかりに写真を撮りまくる。 7時にコトのロッジを出発。 集落の外れトレッカーのチェックポストがあり、アンナプルナ街道は直進、プー村へのルートはその手前を右に折れてマルシャンディ川を渡ってナルコーラ沿いのV字峡の谷を進む。 20年前の初登頂の時は、まだこの谷には道や橋が無く、プー村へは他のルート(5306mのカン・ラ峠越え)でアプローチしたとのこと。 

   絶壁にへばり付くようにして作られた道を、登り下りしながら遡って行くので、労力の割には高度がほとんど稼げない。 複雑な谷の地形に合わせて高巻きをしたり、陽の当たらない薄暗い谷底を歩いたり、新しい同じ規格の吊り橋を4回ほど渡ったりしてナルコーラの右岸と左岸を交互に辿る。 昨日までは茶店やロッジが点在する生活臭のする街道だったが、今日は一転して何もない渓谷の登山道になった。 谷は次第に深くそして険しくなっていくが、日本の山のような雰囲気のする樹林帯もあり、所々で木々の紅葉も見られた。   

   12時半にようやく当初の目的地だったシンゲンジェ・ダラムサラ(3230m)のキャンプ地に着く。 ただの牧草地だと思っていたが、意外にも古いロッジと炊事小屋があり、10張りほど張れそうなテントスペースはきれいに整地されていた。 ここでランチタイムとなり、スタッフが用意してくれた行動食(チャパティ・チーズ・ゆで卵・チョコバー・ビスケット・りんご)を適当に食べる。 

   シンゲンジェ・ダラムサラからようやく道は登り一本調子となり、激しい登下降はなくなった。 この渓谷の奥の4000mを超える高所に昔からの集落があるとは思えなかったが、谷底から這い上がり、樹林帯を抜けてジグザグの急坂を登り続けると、カンガル・ヒマール(6981m)の裾野に広がる明るい高台の牧草地に飛び出した。 緩やかな傾斜の牧草地を僅かに登り、2時半前にメタ(3560m)のキャンプ地に建つ真新しいロッジに着いた。 コトからの単純標高差は1000mほどだが、登り下りが頻繁にあったので、累積標高差は1500mくらいに感じられ、予想以上に歩き応えがあった。

   今日も昨日に続いて平岡さんと同室になる。 昼過ぎから風が強まり、夕方から小雨がパラついて日没後は冷え込みが厳しくなり、夜中には小雪が舞った。 室内の気温も夕方の5時で10度しかなく寒かった。 スタッフ達がロッジのスワニー(女将さん)が作る料理を手伝っていたが、これはごく当たり前のことのようだった。 夕食はオーソドックスなダルバート。 味付けは日本人向けにあまり辛くないようにしてある。 まだ高度を感じることもなく、お腹が空いていたので、お腹一杯に食べた。 寝る前に初めてSPO2(酸素飽和度)と脈拍をパルスオキシメーターで測る。 84と68で、期待に反してこの高さにしてはあまり数値が良くなかった。


コト(2600m) ⇒ シンゲンジェ・ダラムサラ(3230m) ⇒ メタ(3560m)


ロッジの屋上から見たピーク29(7871m)


ロッジの屋上から見たアンナプルナU峰(7937m)


朝食は各々が注文したものを食べる


プー村へのルートの入口


吊り橋を渡ってナルコーラのV字谷に入る


ナルコーラの右岸をへつる


新しい同じ規格の吊り橋を4回ほど渡る


日本の山のような雰囲気のする樹林帯

 

ナルコーラの左岸をへつる


陽の当たらない薄暗い谷底を歩く


高巻きを繰り返しながら登下降する


滝の裏側を歩く


古いロッジと炊事小屋があるシンゲンジェ・ダラムサラ(3230m)のキャンプ地


カンガル・ヒマール(6981m)の裾野に広がる明るい高台の牧草地


メタ(3560m)のキャンプ地に建つ新しいロッジ『マイタゲストハウス』


シンプルなベッドが置かれたロッジの寝室


ロッジの食堂で寛ぐ


夕食のダルバート


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ヒムルン・ヒマール