《 10月6日 》

カトマンドゥ ( 1 3 3 0 m ) ⇒ ブルブレ ( 8 4 0 m ) ⇒ ジャガット ( 1 3 0 0 m )

   10月6日、別棟のレストランでバイキングの朝食を食べ、エージェントが用意した2台のランドクルーザーに分乗してホテルを出発する。 今回の登山隊のサーダーのパサン(31歳)とその弟のタシ(25歳)が今日の目的地のシャガットまで道案内役で同乗することになった。 ジャガット(1300m)は、通称『アンナプルナ街道』と呼ばれるアンナプルナ山群を巡るトレッキングルートの入口にある小さな村だ。 二人とも若々しいが、エベレストだけでもすでに5〜6回登っている頼もしい猛者だ。 パサンはオフシーズンである夏の3か月間、日本の山小屋(天狗平山荘)で働いているとのことで、日本語がペラペラだった。

   ホテルから車で数10分走ったボダナートの裏の僧院に行き、いかにも偉そうなお坊さん(ラマ僧)にプジャ(祈祷)をしてもらう。 何となく緊張して肩に力が入ってしまうが、ネパールではごく日常的なことらしい。 ラマ僧から首にかける御守りと塩やお香をいただく。 プジャが終わると、昨年泊まったホテル『ハイアット・リージェンシー』の近くの大型スーパーに行き、食糧品や雑貨の買い出しをする。 こんなに立派なスーパーがネパールにもあったのかと驚いた。 

   喧噪のカトマンドゥ市内を過ぎると道幅の狭い峠道となったが、車の渋滞が市街地よりもひどく、途中から全く動かなくなってしまった。 道路工事が原因かと思ったが、坂道の途中で故障して立往生している車(過積載の古いトラック)が多かったのが原因だった。 峠道を過ぎると道は一転して平らで真っ直ぐとなり、水田の多い田園地帯を順調に進んだ。 昼食は観光客向けのレストランで初めて本場のダルバートを食べた。 ダルは豆、バートは米という意味で、基本的にパサパサしたご飯とレンズ豆を煮込んだスープ、鶏肉やジャガイモを煮込んだカレーの汁、炒めた青菜などが付く。 

   昼食後も車は順調に進み、大きな川に沿って走るようになった。 意外にも川ではラフティングをしている光景が随所で見られた。 カトマンドゥからシャガットまでは距離も長いのか、舗装された道路の終点のベシサールの町(760m)を経てアンナプルナ街道の起点となるブルブレ(840m)に着いたのは夕方の5時だった。  一般車が入れるのはブルブレまでで、ここからは利権の関係か地元の業者が運転するジープに乗り換える。 コストの都合上ジープは1台だったので、平岡さんと私はコックのドゥルゲと三人で荷台に揺られていく。 道は想像以上に悪路で、車に弱い人には絶対無理だ。 6時半を過ぎると周囲は真っ暗になり、予想外の長旅で気が滅入ってくる。 寒くないことが唯一の救いだ。 8時を過ぎてようやく目的地のジャガット(1300m)に着いた。 

   今日泊まる宿は『ニューレベルゲストハウス』というこの村では一般的なロッジで、温水のシャワーが使えた。 部屋は6畳ほどの広さで、シーツが敷かれた簡素なベッドが二つ置かれただけのシンプルなものだった。 ロッジの中庭で到着の祝杯を上げ、夕食を食べ終えた11時にようやくシュラフなどが入った荷物が届いた。


ベシサール(760m) ⇒ ブルブレ(840m) ⇒ ジャガット(1300m)


宿泊したホテル『アンナプルナ』


ホテルの朝食


登山隊員(左から割石さん、滝口さん、泉さん、るみちゃん、私、藤田さん)


ホテルからランクル2台に分乗して出発する


ボダナートでラマ僧からプジャ(祈祷)を受ける


大規模スーパーで食糧と雑貨の買い出しをする


水田の多い田園地帯を走る


ネパールの国民食のダルバート


川でラフティングをしている光景が随所で見られた


ブルブレ(840m)で車を1台のジープに乗り換える


夜の8時過ぎにジャガット(1300m)の『ニューレベルゲストハウス』に到着する


ロッジの中庭での夕食


モモ(蒸し餃子)


ベッドがあるだけのシンプルなロッジの部屋


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ヒムルン・ヒマール