《 9月29日 》

B.C  ( 4 7 5 0 m )

   9月29日、雲は多いが雪が降りそうな悪い天気ではない。 B.Cに来てから1か月近く経つが、季節はすっかり秋になり、朝の冷え込みが厳しくなってきた。 テントサイトの傍らを流れている氷河からのいく筋かの沢も水流の細いものは凍っていた。 各隊とも長期戦で食糧が不足しているのだろう、早朝から10頭ほどのヤクがサマ村から上がってきていた。 今日も退屈で長い1日となりそうだ。 起床後のSPO2と脈拍は89と66だった。

   朝食後にラッセルからアタックのスケジュールについての説明があり、先日の天気予報は変わってないので、一次隊は明日の30日に出発して10月4日にアタック、二次隊は明後日の1日に出発して5日にアタックすることが決まった。 今日は未明からスタッフが総出でC.2に向けて出発し、雪に埋もれたフィックスロープとテントの掘り出しを行い、明日からはC.2からC.4までのフィックスロープを張り直してルート工作を行うとのことだった。 尚、アタックのスケジュールに合わせて10月8日にサマ村を発つ帰りのヘリの予約も済ませたとのことだった。 アタック日やヘリのフライトの日程が決まり、緩みきった気持ちが一瞬引き締まったが、心の中ではすでにマナスルは終わったことにしていたので、このラストチャンスに対しても気負いは無かった。

   早朝は曇っていたが天気は次第に良くなり、午前中はるみちゃんを散歩に誘って雪に覆われたモレーンの背を登る。 藤川さんもザックを担いで登ってきた。 途中ですれ違ったAG隊のWさんと雑談を交わすと、AG隊はアタックステージを男性チームと女性チームの2つに分け、アタック日はそれぞれ10月5日と6日になったとのことだった。

   昼食は平岡さんが五目炊き込みご飯を作ってくれ、外国人隊員達も興味深そうに味見をしていた。 ウォーリー(アメリカ)との雑談の中で、たまたま私達の出発日が明日だという話が出たので、慌てて平岡さんがラッセルに確認すると、昨夜一般チームと軍人チームのアタック日を入れ替えることが急遽決まったが、平岡さんの耳には入ってなかったようだ。 軍人チームは若いので、アタック日にC.2に泊まらずそのままB.Cまで下山出来るというのが理由だった。 出発日が明日になったので午後は装備や食糧の最終チェックをして過ごした。


早朝からヤクがサマ村から上がってきていた


定番の朝食


早朝は曇っていたが天気は次第に良くなった


るみちゃんを誘って散歩に出掛ける


ザックを担いで登る藤川さん


AG隊のWさんとすれ違う


B.Cの積雪もだいぶ少なくなってきた


昼食の五目炊き込みご飯


夕食のラム肉


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マ ナ ス ル