《 9月25日 》

B.C  ( 4 7 5 0 m )

   9月25日、B.Cでも雪は一晩中降り続き、積雪は20センチほどとなった。 2日前に出発した時とは全く違う一面の雪景色だ。 ありがたいことに体調は今日も良く、起床前でもSPO2と脈拍は86と58で理想的だった。 昨夜は充分寝たはずだったが、酸素が濃くなったせいか午前中は眠くて仕方がなかった。 B.Cの裏手の氷河では湿雪による雪崩が頻発し、雷のような爆音を響かせていた。 朝食後にAG隊の女性が転んで腕を骨折し、モニカが治療したという話も耳に入った。

   アタックステージに向けて体調の管理やモチベーションの向上に努め、一番良い状態で臨めるように仕上げてきたので、再びその状態に戻すことはたやすいことではなく、今日からは本当の意味で休養して気持ちもリセットするように心掛ける。 ここまで全てが順調だったお蔭でまだ予備日が一週間ほどあるのが救いだ。 外国人達は山での生活を楽しんでいるのか、停滞となっても普段と変わりなく明るい。 登頂ばかりを気にして沈んでいるのは私達だけのようだ。 昼過ぎからはSPO2も90まで上がり、脈拍も50台となった。

   2時頃になってようやくマニを先頭にC.2からの第一次隊の隊員達がぽつりぽつりと帰還(生還)し、一人一人ラッセルから労われていた。 C.2からC.1の間では部分的に雪は胸ほどの高さもあり、フィックスロープも殆ど雪で埋まっていて、ルートの状態は非常に危なかったとのことだった。 C.1のテントも雪に埋まっていたとのことで、昨夜のうちに下りてきたことは正解だった。 

   夕食後にラッセルから、天気予報が変わり易くまだ日程に余裕があるので、焦らずに次の登頂の機会をうかがうとの話があった。 現時点ではアタック日を予測することが難しく、今夜もこれから雪となるので、とりあえず明日は休養日にするとのことだった。


心も体も温まるキッチンスタッフによる朝のミルクティーのサービス


一面が雪景色となったB.C


C.2から下山してきた隊員達を迎える


今日の昼食の一品


ラッセルから今後の天気の見通しやスケジュールについての説明があった


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