《 9月23日 》

B.C  ( 4 7 5 0 m ) ⇒ C.1  ( 5 5 0 0 m )

   9月23日、今日も朝方は青空が覗きまずまずの天気だった。 体調の管理を徹底して行ったせいか熱は奇跡的に下がり、嬉しいことに体のだるさはとりあえず無くなっていた。 起床後のSPO2と脈拍は86と62だったが、もう数値などはあまり気にならず、これからは今の体調が良いか悪いかだけにかかっている。 B.C入りしてから3週間が経ち、いよいよ今日から山頂へのアタックが始まる。  朝食前に出発の準備をしていると、意外にも平岡さんから体調が優れないので出発時間を遅らせたいという話があった。 下痢は治っていたが朝食は控え目にし、食後にモニカの診断を受ける。 脈拍が70と少し高かったが熱が下がったので、モニカが自分のことのように喜んでくれた。 モニカからC.1にはくれぐれもゆっくり歩いて行くようにと言われた。 

   9時に工藤さんとるみちゃんが先にC.1に向けて出発して行った。 私と藤川さんと平岡さんは1時間遅れて10時に出発した。 いつの間にか青空は消えて曇りとなったが、登るにはちようど良い気温だった。 AG隊の横を通ると、近藤さんと梶山さんが見送りに来てくれた。 順応しているので呼吸は楽だが、病み上がりなのでとにかく疲れないようにゆっくり歩く。 前回は4時間少々でC.1まで行けたので、5時間もあれば大丈夫だろう。 高所靴もゆっくり歩く分には何ら問題はない。 クランポン・ポイントまで1時間半ほどで着く。 

   クランポン・ポイントを過ぎると雪が舞ってきたので雨具を着る。 体調の優れない平岡さんやボッカに苦しむ藤川さんと少しずつ間隔が開き、途中から1人で先行することになった。 昨日の体調の悪さを考えると、嘘のように今日は体が動いていると自分でも不思議に思えた。 C.1の手前で先行したるみちゃんの姿が見えてきた。 

   予想よりもだいぶ早く4時間ほどでC.2に着いた。 無線でB.Cに連絡を入れると、ラッセルではなくモニカが代わって応答してくれた。 倉庫にデポしてあったスタッフバックを回収して工藤さんがいるテントに転がり込む。 るみちゃんは食糧とヘッドランプを入れたデポ袋が見当たらないと困っていたが、まもなく見つかって事なきを得た。 今のところ体調は悪くなってないが、昨日の朝のように突然容体が悪くなることもあるので油断は禁物だ。

   昼食は行動食だけだったせいもあり、夕食はフリーズドライのカレーを一人前食べた。 夕食後のSPO2と脈拍は83と67で、C.1ではまずまずだった。 明日は5時半の出発とのことで早く寝たが、C.2にデポしてあるエアーマットの代用品のテントマットでは寒くて12時過ぎまで眠れなかった。 日没後から雪が断続的に降り続いていたので、明日はラッセルとなることが必至で気が重かった。


朝方はまずまずの天気だった


モニカの診断を受ける


アタックに向けてB.Cを発つ


AG隊の近藤さんと梶山さんが見送りに来てくれた


途中から小雪が舞い始める


4度目のC.1に着く


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