《 9月21日 》

B.C  ( 4 7 5 0 m )

   9月21日、先日の長期予報はどこまで信じて良いのか、今日も天気が悪く曇っている。 これまでは午後は天気が決まって崩れるが、午前中は晴れ間の出る時の方が多かった。 起床後のSPO2と脈拍は88と65でまずまずだった。 昨日は一日中テントの中にいたので、朝食前に久々に柔軟運動を入念に行う。 

   朝食後にラッセルから酸素ボンベ・マスク・レギュレターの使い方について以下のような詳細な説明があった。 @酸素ボンベにレギュレターを接合する時は、ボンベが冷たいので必ず厚手の手袋をして行い、ボンベの栓は大切に保管すること。 Aレギュレターの目盛を0.5にセットしてゆっくり回し、“シュー”という酸素が漏れる音がしても、慌てることなく手早くボンベを回して接合すること。 Bレギュレターから酸素が漏れていても構わず酸素マスクのゴムホースと接合すること。 Cレギュレターと酸素ボンベを接合したら、レギュレターの圧力計の目盛が20(半分)以上あることを確認すること。 D息を止めて混合器が酸素で膨らむことを確認すること。 E酸素マスクの右側と下のバルブの外側は吐いた空気が凍りつくので、時々手で氷を払い落とすこと(これを怠るとバルブが詰まってしまい、酸素が供給されない)。 マスクの価額は1000ドル(約8万円)と高価だったが、将来まだ高所で使う可能性があるので、もし本当に性能が良ければ買っても良いかなと思った。 

   説明が終わると、HIMEXのロゴが入った専用バックに入ったマスクとレギュレターが貸し出された。 バックにはシリアルナンバーが付けられており、貸出簿に名前を記入する。 残念ながら軍人チームと一般チームから一人ずつリタイアする人が出てしまったため、その隊員への貸し出しは行われなかった。 酸素ボンベはHIMEXが独自の充填工場で酸素を充填・管理しているとのことで、行動用は長さ50センチ、睡眠用は40センチとなっていた。 酸素マスクの『TOP・OUT』は従来型に比べて随所に改良が施されているらしいが、ゴムが柔らかくて装着感がとても良く、また脱着も容易に出来るばかりか、最大の懸案事項だったメガネやオーバーグラスと干渉することもなかった。 今回準備したレンズの小さなメガネも使わなくて済みそうで本当に嬉しい限りだ。 午前中はマスクの装着とレギュレターとボンベの接合の練習に明け暮れた。 山のガイドをしているというピエール(フランス)とHIMEXのブロガーのビリー(ドイツ)は無酸素でチャレンジするようだ。

   午前中から降り出した小雨は昼食時には本降りとなった。 午後はアタックステージでの衣類と携行品の詳細なリスト作りとチェックを行う。 夕方になってようやく雨が止んだので、高所靴の試し履きにテントサイトの裏のガレ場を散歩した。 

   夕食後は遅くまで平岡さんやるみちゃんと次の海外の山の計画を話し合った。 寝る前のSPO2と脈拍は85と63でいつもと変わらなかったが、シュラフに入る直前に右の脇腹の下に違和感を覚えた。


ラッセルから酸素ボンベやマスクの使い方の詳細な説明を受ける


酸素マスクのイギリス製『TOP・OUT』


『TOP・OUT』はゴムが柔らかくて装着感がとても良かった


睡眠用の酸素ボンベ


酸素の残量を確認するレギュレター


酸素マスクの装着と脱着を何度も繰り返す


夕方になってようやく雨が止んだ


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