2008年8月

《 5日 》    チャカルタヤ ( 5 3 9 5m )

ラ・パス ( 3 6 0 0 m ) ⇒ チャカルタヤスキー場 ( 5 1 8 0 m ) 〜 チャカルタヤ ( 5 3 9 5 m )(往復)

  8月5日、ボリビアン・ジャーニーのワゴン車で高所順応のハイキングとして予定しているチャカルタヤ(5390m)へと向かう。 今日はハイキングなので現地のガイドはいない。 飛行機に預けた荷物がまだ手元に届かないので、妻からジャケットや手袋、そして中村さんから雨具のズボンを借りる。 途中の市場で行動食にするリンゴやオレンジといった果物を買い、その近くの自然食品の店で手作りのサンドイッチを買う。

  車はラ・パスの中心部のすり鉢の底から這い上がり、専ら低所得者層が住んでいるといわれるエル・アルトという町を通り抜け、そこから未舗装の山道へと入っていく。 廃屋のようなレンガ造りの家も良く見るとちゃんと人が住んでいるようだ。 昼間は皆ラ・パスに出稼ぎに行っているのか人通りは少なく、代わって野良犬が多く見られる。 ラ・パスの中心部から車で1時間足らずで人家が無くなると、小規模ながらも浄水場のような施設があり、その先は黄金色をした冬枯れの牧草地となっていた。 今は冬で乾期だが、夏の雨期になればこの辺りも緑濃い牧草地となるのだろうか?。 所々に放牧された牛などの家畜が散見された。

  間もなく車窓からワイナポトシの尖った頂稜部が突然顔を覗かせ、一同身を乗り出して歓声を上げる。 更に山道を登り続けていくと標高4500m位の所でコバルトブルーの水を湛えた湖越しにワイナポトシの雄姿が大きく望まれるようになり、しばらくすると道が左右に分岐していた。 ワイナポトシの登山口のあるゾンゴ峠への道を左に見送り、右の道をチャカルタヤへと向かう。 眼下には緑色の水を湛えた小さな池が点在し、今度はイリマニが車窓から望まれ再び一同歓声を上げる。

  チャカルタヤへの山道は勾配を増したのみならず路肩が弱くなり、10人が乗ったワゴン車の走行には少々危うかったが、そんなことはこちらでは当たり前のことのようであった。 ラ・パスから正味2時間ほどで車道の終点となり、標高5190mにある駐車場に着いた。 上空は青空であるが、残念ながら雲も多く快晴の天気ではない。 チャカルタヤには山頂付近にスキー場があるらしいが、現在は温暖化の影響で雪が少なくなり、クローズしているようだった。 駐車場の傍らには立派な石造りのボリビア山岳協会の山小屋があった。

  運転手に留守番をお願いし、早速標高差で200mほどの山頂に向けてのハイキングとなった。 山肌には残雪があるが、尾根につけられた明瞭なトレイルには雪は無い。 指呼の間に秀麗なワイナポトシを終始望みながらの展望のトレイルだ。 低酸素室での効果か、普段の登高ペースの半分ほどのスピードではあるものの、息苦しさは微塵も感じず全く快調に登れる。 途中1回の休憩をはさんで1時間ほどで山頂に着いた。 高曇りの天気であったが、山頂からの360度の展望は素晴らしく、遠くチチカカ湖まで見えた。 この山に登ることを最終目標としている日本からのハイキングのツアーがあることも頷ける。 しかし何よりも嬉しかったのは体調が良いということだ。 昨日到着し、滞在2日目でこれだけ順応していれば何もいうことはない。 高所順応が目的なので、写真を撮り合ったり、サンドイッチや果物を食べながらおしゃべりをして1時間以上山頂に滞在し、さらに少し先の無名のピークまで往復してから下山する。 駐車場まで下山した後も、居心地の良いボリビア山岳協会の山小屋に30分ほど滞在してからラ・パスへ戻った。 夕食は皆でステーキを食べに行ったが、庶民的な店だったせいもあり、期待していたほどの内容ではなかった。


ラ・パスの町を見下ろすように聳えるイリマニ


チャカルタヤ全景


ゾンゴ峠とチャカルタヤスキー場の分岐付近から見たワイナポトシ


チャカルタヤスキー場から見たワイナポトシ


チャカルタヤスキー場の駐車場と立派な石造りのボリビア山岳協会の山小屋


中間地点で一休みする


チャカルタヤの山頂直下


チャカルタヤの山頂(背景はワイナポトシ)


山頂から遠望したイリマニ


山頂からはチチカカ湖も見えた


高所順応のため山頂に1時間以上滞在する


駐車場に下山する


  8月6日はラ・パスでの休養日となったが、図らずも今日はボリビアの独立記念日ということであった。 今日も晴れてはいるが、昨日同様雲が多く快晴の天気ではない。 今は乾期であるが、ラ・パス周辺は雲の出やすい地形なのだろうか?。 陽の当たらない寒々しいホテルの狭い部屋の中では寛ぐこともままならないので、皆で独立記念日のパレードを見に行くこととなった。 特異なすり鉢状となっているラ・パスの町では見渡す限り平坦な所はなく、道路を歩けば必ず上り下りの坂道となる。 昨日は意気揚々チャカルタヤに登り、すでに体は高所に順応したかに思えたが、上り坂では相変わらず足が重い。 さすがに今日は独立記念日なので車の交通量は少なく、排気ガスの臭いを気にすることなく歩ける。 所々に自動小銃を携えた警官(軍人?)の姿が見られたが、ボリビア人の背丈が日本人とほぼ同じ位であるせいか、威圧感や緊張感というものは不思議と感じない。 露店でサルティーニャを食べたりしながら、少し遠回りをして裏通りからパレードが行われている大統領官邸前のムリリョ広場に向かう。 ムリリョ広場に近付くにつれて、付近の路地はパレードの順番を待つ各種の団体の人々で埋め尽くされ、歩くのもままならぬ状況となった。 人ごみを縫うようにしてムリリョ広場に辿り着くと、賑やかな吹奏楽団の演奏に合わせて盛大にパレードが行われていた。 広場は黒山の人だかりで、ラ・パスの住民もさることながら、観光客の姿が多く見られた。 大統領官邸前には大統領以下の政府の要人の姿も見られたが、意外にも警備はそれほどものものしくなく、テレビ局の撮影車両の近くで小1時間ほど高みの見物をする。 50〜100人ほどの正装した各種の団体が次々に同じようなスタイルで大統領官邸前をパレードし、まるで終わりがないかのように思えた。

  パレードも見飽きたので、サガルナガ通りに土産物を見にいこうとしたところ、いつの間にか鈴木さんが行方不明となっていた。 しばらく皆で手分けして探したが、人ごみに埋もれて捜索不能になってしまったので、諦めて残りのメンバーでサガルナガ通りに行き、ランチと土産物を見て回った。 鈴木さんはホテルに先に帰られていたことが後で分かった。 夕食はボリビアン・ジャーニーの社長がお勧めする外国人向けのレストランに行き、好物のカルボナーラをお腹一杯食べたが、この後に予想もしていない事態になるとは知る由もなかった。

  夕食後に平岡さんから明日からのワイナポトシ登山のスケジュールについての説明があり、明日のキャンプ地(H.C)については、標高5130m地点の氷河の舌端か、その先の標高5400m地点の『カンパメント・アルゼンチノ(アルゼンチン・キャンプ)』と呼ばれる平らな雪原のいずれかを選べるが、昨日チャカルタヤに登ったとはいえ、今回の日程では高所順応日が少なく、また標高3600mのラ・パス以外での宿泊をしていないので、前者のキャンプ地に泊まることになった。


滞在したホテル


ムリリョ広場付近の路地裏でパレードの順番を待つ団体


大統領官邸前を通るパレード


賑やかな吹奏楽団の演奏


大統領官邸とムリリョ広場


B A C K  ←  ラ・パス

N E X T  ⇒  ワイナポトシ


2 0 0 8 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P