《 5月18日 》

B.C(5150m) 〜 I.R.C(5800m)

   5月18日、酸素を潤沢に吸って寝たので、起床後のSPO2と脈拍は90と60で脈が低かった。 今日からいよいよ8泊9日で山頂へのアタックステージに入る。 風邪や倦怠感、そして下痢や鼻詰まりなどB.Cでの長いレストの期間中に色々な体調不良があったが、それらを何とかリカバリーしてこの日を迎えることが出来た。

   朝食前に倉岡さんがカーリーに呼ばれたので、ただごとではない感じがした。 予感は当たり、朝食後に倉岡さんから、登頂予定日の24日の天気予報が信頼出来なくなり、もしかしたら次の好天が予想される27日にアタック日が順延となるか、最悪の場合は一旦B.Cに戻ってから仕切り直して6月にずれ込む可能性があるという説明があった。 通信は可能だったので、妻に現時点でのアタックの日程についてのメールを入れる。

   10時過ぎにカーリーに見送られてB.Cを出発。 前回の順応ステージと同じ行程で、今日はI.R.C(インター・リム・キャンプ/5800m)まで行く。 健脚のヨーロッパ隊は昼食後に出発するようだ。 前回はI.R.Cまで7時間半ほど掛かり、しかもかなり辛かったので、2週間ぶりに歩く今日はどうなるのか心配だ。 歩き始めは皆よりも少し遅いペースで歩いたが、散歩の時に積んでおいた幾つかのケルンまでの所要時間よりも早く歩けた。 今日も良い天気でありがたい。 ゆっくり歩いていれば勾配が急になっても息が切れず、また前回のように1時間毎に休憩しなくても歩き続けることが出来る感じで、まさしく“筋力は落ちているが順応は進んでいる”ため、結果的に前回よりも早いペースで歩くことが出来た。 私達と同じ24日の登頂を目指している隊が少ないのか、A.B.Cに滞在している隊が多いのか、あるいはB.CからA.B.Cまで1日で行く隊が多いのか、私達の前後を歩くパーティーは殆ど見られなかった。


10時過ぎにカーリーに見送られてB.Cを出発する


B.CからI.R.Cへ


B.CからI.R.Cへ


昼飯のおにぎり


B.CからI.R.Cへ


B.CからI.R.Cへ


   倉岡さんが予想したとおり前回よりも1時間半ほど早く、しかも前回よりも余裕をもって6時間足らずでI.R.Cに着いた。 B.Cでの長いレストも順応のためには決して無駄ではなかった。 陽が当たって暖かいダイニングテントでティータイムをしながら寛いでいると、三々五々ヨーロッパ隊が到着したが、一番早かったのは女性のパティで4時間で着いたとのことだった。 ヨーロッパ隊の口に合わせた夕食は少しスパイシーだったので腹八分目にしておいた。 夜はデポしてあった酸素を毎分1L吸って寝たので、指先までポカポカに暖まった。


余裕をもって4時にI.R.Cに着いた


I.R.Cの個人用テント


ヨーロッパ隊と夕食を共にする


ヨーロッパ隊の口に合わせた夕食は少しスパイシーだった


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