《 9月29日 》

C.2 ( 7 1 3 0 m )

   9月29日、6時半に起床。 睡眠用の酸素は0.5リッターでも全く問題なく良く眠れた。 起床前に昨日から吸っていたオプションの酸素が無くなったので新しい酸素ボンベと交換する。  テント内の気温はマイナス6度とさすがに寒いが、一晩中酸素を吸い続けていたので起床後のSPO2と脈拍は80と60でA.B.Cと変わらなかった。 酸素の効果はやはり絶大だ。 今日も柴田さんが率先して水を作ってくれたので助かった。 朝食のカップラーメンは昨日のC.1以上に美味しく食べられた。 平岡さんと一緒のテントのるみちゃんも元気そうだ。 晴れてはいるが風はやや強く、山頂方面には雪煙が舞っていた。 今日は昨日の指示どおりC.2での待機となった。 C.2は北側斜面なので、8時半にようやくご来光となった。 

   朝食後は酸素を吸わずに過ごすが、じっとしていれば頭痛はなかった。 周囲の山々の景色は素晴らしいが、靴を濡らしたくないので写真を撮るのは我慢してテントから出ないようにした。 明日はここから8201mの山頂まで標高差で1000m以上という予定外の長いアタックとなり、好天の予報はここ数日の天気からすれば全くあてにならない。 数日前から調子が悪かったカメラは、レンズの開閉時に一旦止まるような動作が頻繁に見られるようになり、また昨日から右手の人差し指が少し痛く、凍傷の恐れも出てきたので、思いきってカメラをザックの胸元から外し、行動中は写真を撮らないことにした。 併せてザックの胸元に付けているテルモスも、酸素ボンベとの干渉を避けるために外して、登頂に専念することにした。

   昼前になってもSPO2と脈拍は72と80で、C.1と変わらなかった。 風は収まってきたが、天気は昨日と同じように悪くなり、山頂方面はホワイトアウトして見えなくなった。 それでも隣の中国隊はC.3に向けて出発していった。 曇っているがテントの中は暖かく、柴田さんと歓談しながら予想以上にリラックスして過ごせた。

   昼食は明日のアタックが確実となったので、予備のカップそばを食べた。 平岡さんから明日の出発は零時で、私がペンバ・ヌルと、柴田さんはテンジンと組んで登るよう指示があった。 午後は色々な場面を想定しながら酸素マスクの脱着などを繰り返し行う。 3時半過ぎに当初からC.2からのアタックを計画していた倉岡隊が到着したが、意外にも私と同じようにメンバー全員がC.1から酸素を吸って登ってきた。 

   早めの夕食はカップラーメンだけで済ませ、5時半にシュラフに入って横になったが、雪が降ってきたのでガッカリした。 睡眠用の酸素は少し余裕があったので、1リッターを吸って寝た。


平岡さんと一緒のテントのるみちゃん


C.2から見た周囲の山々の景色は素晴らしい


C.2は北側斜面なので、8時半にようやくご来光となった


昼前から風は収まってきたが、天気は昨日と同じように悪くなった


柴田さんと歓談しながら予想以上にリラックスして過ごせた


他隊の動向をうかがうスタッフ達


昼食のカップそば


色々な場面を想定しながら酸素マスクの脱着などを繰り返し行う


倉岡隊は私と同じようにメンバー全員がC.1から酸素を吸って登ってきた


B A C K  ←  《 9月28日 》

N E X T  ⇒  《 9月30日 》


チ ョ ・ オ ユ ー    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P