《 9月22日 》
A.B.C ( 5 7 0 0 m ) ⇒ C.1 ( 6 4 0 0 m )
9月22日、昨夜はほぼ熟睡出来た感じで体調は良い。 雪は止んでまずまずの天気になったので、予定どおり7時過ぎにA.B.Cを出発。 順応がだいぶ進んだようで、ゆっくり歩けば息は切れない。 4日前の前回とは違い、前後には他の隊の姿は全く見られなかった。 モレーンの中の踏み跡はあまり明瞭ではないが、ルートの記憶は新しいので気は楽だ。 天気は朝方よりも良くなり、周囲の山々の景色を眺めながらそれほど退屈せずに歩けた。 順応が進んだため前回よりも今日の方が速いペースで歩けていると思ったが、荷物が前回よりも重たかったせいか、ガレ場の取り付きまでは前回と全く同じ3時間40分を要した。 ガレ場の取り付きでおにぎりを食べて休憩していると、後からA.B.Cを出発した倉岡隊が涼しい顔で追い付いてきた。
ガレ場の取り付きからC.1までは標高差で400mほどあるが、落石の危険があるのでC.1まで休まず登るよう平岡さんから指示があった。 取り付きから先は何故か前回よりもさらに遅いペースでしか登れなくなり、途中の傾斜が緩んだ所で休憩出来たので助かった。 C.1の直下からは傾斜が一段と急になり、要所要所にロープが張られていた。 C.1が近づくにつれて足が全く上がらなくなってしまい、A.B.Cでの順応が嘘だったのかとさえ思えた。 天気がだんだんと悪くなり、気持ちもそれに比例して沈みがちとなる。
1時半にようやくテントの花が咲く氷河の末端のC.1(6400m)に着いた。 A.B.Cで5900mに合わせた高度計の数字は6387mになっていた。 C.1は予想よりも狭く、中国隊の大きなダイニングテントが近くにあるため、なおさら窮屈に感じた。 テントの周りでるみちゃんの到着を待っていると、C.2からの順応から戻ってきたビリーと再会した。 テントは柴田さんと一緒になったが、率先的に水作りをやってくれたので助かった。 SPO2と脈拍は71と100で、初めて脈が100台になった。 水が出来ると紅茶やコーヒーを飲み続けて脈を下げる。 テントに入ってからは軽い頭痛があったが、脈が下がるにつれてなくなった。
夕方になると天気は回復し、チョ・オユーの山頂方面やパサンラモ(チョ・アウイ)が良く見えるようになった。 夕食前のSPO2と脈拍は共に66となり、脈はかなり下がったが、SPO2が予想以上に下がってしまった。 夕食はフリーズドライの味噌汁にカレーと白米で、意外と美味しく食べられた。