《 7月17日 》

成田 ⇒ ソウル ⇒ アルマトゥイ(800m)

   中央アジアのカザフスタンの最高峰ハン・テングリは、東西300キロに及ぶ天山山脈の中央に位置し、古代の中国の僧侶が“精霊の王”と名付けたといわれる名峰で、世界百名山にも選ばれている。 標高は7010mとも6995mとも言われているが、7000mという数字にこだわらなければ、どちらでも全く問題ではない。 ヨーロッパ、南米、ヒマラヤ(ネパール)の山々をいくつか登り、次は未知のチベットやカラコルムの山に登ってみたいという思いが強まり、その中で国の最高峰(9番目)という観点から思いついたのが同峰だった。 海外の山にご一緒した方の中にもルートや時期は違うものの同峰に登頂された方がおり、情報は少ないが登れない山ではないことが分かった。 ちょうどその折、NHKの番組『グレート・サミッツ』で同峰が放映され、その出演者で登山家の平出和也さんから運良くICIスポーツで話しを伺うことが出来たことが一番の情報だった。 また、山仲間の飯塚さん夫妻も同じB.Cから登るカーリィー・タウ(5450m)に5年前に行かれていたので、山麓へのアプローチやB.Cの状況などが事前に良く分かった。 カーリィー・タウは標高の割に氷河が大きく、B.Cからではあまり絵にならないハン・テングリを望むには絶好の山だったので、同峰をプレ登山とするハン・テングリの登山ツアーをガイドの平岡さんに企画していただき、チャレンジすることになった。 他の参加メンバーは、以前ペルーのワスカランでご一緒した田路さんと割石さんということに決まった。

   7月17日、直前に上陸した大型の台風11号の影響で、徳島の割石さんと福井の田路さんも急遽成田空港から出発することになった。 アシアナ航空の預託荷物は20キロまでで、オーバーチャージは1キロ当たり20ドルということになっていたが、25キロを超えているはずの荷物は何事もなくスルーしてしまった。 危惧していた台風の影響はなく、成田空港を12時半の定刻に出発し、約2時間のフライトで乗継地のソウルのインチョン空港に着いた。 インチョン空港は9年前にNZに行った時に乗り継ぎで訪れて以来だが、空港の施設はリニューアルされ、とても綺麗になっていた。 空港内にはまだ日本語が多い。 1000円を両替すると8600ウォンで、スタバのコーヒーが2000ウォンだった。 

   夕方の6時過ぎにカザフスタンのアルマトゥイに向けて出発したが、機内では韓国人の乗務員が片言であるが日本語で話しかけてくれた。 インチョンからアルマトゥイは約6時間で、日本との時差は3時間となぜかネパールよりも小さい。 アルマトゥイ空港は小さく、現在では日本人はビザが不要なため、入国審査は拍子抜けするほどスムースだった。 空港には今回のエージェントの『Kan Tengri LTD』の運転手のスルーランが迎えにきてくれた。 意外にも夜の10時を過ぎているのに外は蒸し暑く、日本とあまり変わらなかった。 車はランクル(左ハンドル)で、市内を走る車も日本車が多く(特にトヨタ)、ガソリンが安いためかどれもみな中型以上の大きさだった。 空港は町の中心部に近く、30分足らずで宿泊先のホテル『ASTRA』に着いた。 ホテルはビジネスマンやツーリスト向けのようで、フロントの女性は英語を話せた。 シングルルームにはキングサイズのベッドが置かれ、シャワーも日本と同じように蛇口をひねっただけで、すぐに溢れんばかりの熱いお湯が出てくる。 エアコンもすでに入っていた。 標高は相対値だが高度計で800mだった。


カザフスタンの地図


インチョン空港では何かのイベントが催されていた


アルマトゥイ空港


ホテル『ASTRA』のシングルルーム


N E X T  ⇒  《 7月18日 》

ハン・テングリ