《 10月29日 》
アイランド・ピークB.C ( 5 2 0 0 m ) ⇒ チュクン ( 4 7 3 0 m ) ⇒ ディンボチェ ( 4 4 1 0 m ) ⇒ パンボチェ ( 3 9 3 0 m )
10月29日、朝食後に今回のアイランド・ピークの登頂をサポートしてくれたスタッフ達にチップを手渡す。 荷物を運ぶヤクの到着が遅れ、ようやく10時過ぎにB.Cを発つ。 今日はチュクン、ディンボチェを経て、パンボチェ(3930m)まで下る。 B.Cの雪解けは少し進んだが、テントの数は変わってなかった。
今日も風が強く、冷たい風が谷の下から吹き上げてくる。 ローツェの南壁には雪煙が舞っていた。 モレーンの背に上がると、所々で立ち止まってはアイランド・ピークの写真を撮る。 下山後に登れた山の写真を撮ったり、眺めたりするのは本当に嬉しいものだ。 チュクンには1時過ぎに着いたが、ディンボチェのロッジで昼食の予約をしているとのことで、ポテトチップでつなぎながら先に進む。 アタックの翌日の疲れた体では、下りとはいえ歩くスピードは上がらない。 2時半過ぎにようやくディンボチェのロッジに着いた。 アマ・ダブラムの山裾の残雪は少し溶けて地肌が見えるようになった。
あいにくロッジの食堂にはお客さんが多く、出発は4時前になってしまった。 ディンボチェに泊まっていきたい気持ちにムチを打って、他のメンバーが待つパンボチェへ下る。 天気は次第に下り坂となり、相変わらず風が止まずに寒い。 トレッキングルートを歩くポーターやトレッカーの姿は殆ど見られなくなった。 5時半を過ぎると周囲が暗くなり始めた。 パンボチェの上の集落への道を緩やかに登っていくと、前方で手を振る人影が見えた。 田口さんとチェリンだった。 二人はわざわざ集落の外れまで迎えに来てくれた。 田口さんからロブチェ・イースト(6119m)の土産話を聞きながらロッジに向かう。 喧噪のアイランド・ピークとは違い、同じ日に登ったパーティーは無く、快晴無風の山頂でゆっくり寛げだということで羨ましかった。
日没と同時にパンボチェのロッジに着き、一週間ぶりに隊員とスタッフ全員の顔が揃った。 ロッジの夕食は野菜の量が格段に多くなり、標高も下がったので、久々に満腹以上に食べた。 夜中に一度も起きることなく、久々に熟睡することが出来た。