《 8日 》 ウペペサンケ山
林道短縮路入口 〜 旧登山口 〜 1339m地点 〜 菅野温泉分岐 〜 糠平富士 〜 ウペペサンケ山 〜 ウペペサンケ山西峰 (往復)
北海道百名山の未踏の山(8座)のうち十勝(上士幌町・鹿追町)のウペペサンケ山(1848m)を糠平富士(1835m)を経て登った。 ウペペサンケ山は25年前に北海道を訪れた時から注目していたが、天気や諸事情により過去に何度も計画倒れになっていた山だ。
糠平温泉から登山口への林道は2016年夏台風で崩壊し、復旧の目処が全く立たない状況にあるが、昨年この林道をショートカットする登山道(林道短縮路)が整備され、5キロほどの林道を歩くよりコースタイムが往復で1時間ほど短くなったのは朗報だった(崩壊した林道を歩くことも可能)。 旧登山口を通る林道短縮路は明瞭だが渡渉が3箇所あり、2箇所目は倒木を利用して渡る以外に靴を濡らさずに渡れなかったため、携行した長靴を履いて渡った。
旧登山口から間もなく標識のある良い水場があり、暑さに備えて6Lの水を汲んでいく。 稜線との出合の1399m地点までの登山道は良く整備されていて登り易かった。 山の天気予報は終日快晴だったが、前日から十勝平野に溜まっていた湿った空気が断続的に流れ込み、1399m地点から先の稜線は濃い霧に包まれていた。 稜線での暑さを危惧していたが、それとは真逆に霧の露で全身びしょ濡れになりながら、敗退も視野に入れながら見えない糠平富士を目指して進む。 菅野温泉分岐と糠平富士の間のクマザサやハイマツと藪は全く問題なく、むしろ予想以上に登山道は全般的に良く踏まれてた。
糠平富士の山頂でようやく陽射しを感じるようになったため、霧が晴れることを期待して見えないウペペサンケ山を目指して進む。 霧で濡れたチングルマなどの花々がみずみずしいが、登山道に真新しいヒグマの糞があり緊張する。 糠平富士から待望のウペペサンケ山へは労せずして1時間足らずで着いたが、願いは叶わずウペペサンケ山からも展望は全く得られなかった。 足取りも重くウペペサンケ山から更に最終目標のウペペサンケ山西峰(1836m)に向かう。 危惧していたハイマツの藪が全く問題なかったことが唯一の救いだった。
ウペペサンケ山から糠平富士に戻る途中から少しずつ稜線の霧が晴れ始め、糠平富士を過ぎるとようやく糠平富士やウペペサンケ山がすっきり望まれるようになった。 満を持して臨んだウペペサンケ山だったが、山頂からの展望が全く得られなかったので、残雪期か空気の澄んだ秋に再訪したいと願わずにはいられなかった。