《 1日 〜 2日 》 大門山 ・ 奈良岳
日本三百名山の未踏の山(17座)のうち、石川県金沢市・富山県南砺市の大門山(1571m)を登り、赤摩木古山(1501m)・見越山(1621m)を経て奈良岳(1644m*日本の山1000)を登った。
大門山はブナオ峠から短時間で登れるため、20年ほど前からその先にある奈良岳と共に紅葉の時期の登頂の機会を窺っていたが、西赤尾からブナオ峠へ通じる脆弱な県道がしばしば通行止めになり、2年前に県道の起点付近で大規模な土砂崩れがあってからは通行止めが恒常化してしまった。 大門山のみであればブナオ峠までの車道を10キロ近く歩くことで日帰りは充分可能だが、奈良岳まで足を伸ばす登山者が激減したことで登山道の荒廃が危惧されたため、紅葉の時期を待たずに登ることにした。 日が長い時期なので日帰りも可能だが、長い車道を一日のうちに往復するのも嫌なので、山中一泊二日で登ることに迷いはなかった。
《 1日 》
西赤尾(通行止めゲート) 〜 ブナオ峠 〜 大門山分岐 〜 大門山 〜 大門山分岐 〜 幕場(泊)
昼前に西赤尾の通行止めゲートを出発。 すぐに土砂崩れの現場に着くと、ネットの情報どおり固定ロープが張られていて、予想よりも容易に通過することが出来た。 舗装された車道は所々で倒木や落石があり、一部では廃道のように草を被っていた。 稜線の残雪はかなり痛んでいるので水を5Lボッカしたが、車道の途中に何か所か小沢が流れていたので助かった。 予報どおりの曇りがちな天気に助けられ、暑さに苛まれずゲートから3時間ほどで広く明るいブナオ峠に着いた。
ブナオ峠から大門山への登山道は予想以上に明瞭で、三百名山ということで定期的に登られている感じがした。 大門山への分岐が近づくにつれて天気が回復し、山頂では同じ三百名山の大笠山(1822m)や明日登る予定の奈良岳などが良く見えた。 分岐に戻る途中で単独の男性とすれ違たが、大門山のみが目的なのでブナオ峠に泊まられるとのことだった。 分岐から奈良岳方面の縦走路に入ると、予想どおり所々で笹藪が登山道を覆っていたが、さすがに実線の登山道だけあって踏み跡は明瞭でまだまだ歩き易かった。 赤摩木古山の山頂を幕場の候補地としていたが、その山頂直下に理想的な雪堤があったので迷わずそこを幕場としたが、結局この雪堤が唯一無二の場所だった。
《 2日 》
幕場 〜 赤摩木古山 〜 見越山 〜 奈良岳 〜 幕場 〜 ブナオ峠 〜 西赤尾(通行止めゲート)
翌朝は周囲が明るくなってから幕場を出発し、目と鼻の先の赤摩木古山の山頂でご来光を拝んだ。 有難いことに赤摩木古山から先も登山道の状態は良く、ほぼコースタイムどおりに歩けた。 天気は予報以上の快晴となり、稜線の所々で大笠山の眺めが良かった。 予想よりも少し早く、幕場から2時間半ほどで待望の奈良岳の山頂に着いた。 猫の額ほどの狭く地味な山頂からは、指呼の間の大笠山の右奥に白山がすっきり遠望された。 山頂から大笠山へ向かう登山道は藪に覆われ、縦走は残雪期がベストだと思えた。 平日なので山は貸し切りかと思えたが、ブナオ峠の手前で大門山に向かうツアーのグループとすれ違い、三百名山のネームバリューを実感した。