《 9日 》 チロロ岳
林道ゲート 〜 曲り沢登山口 〜 尾根乗越 〜 西峰分岐(1713m地点) 〜 チロロ岳 〜 チロロ西峰 (往復)
北海道百名山の未踏の山(29座)のうち日高(日高町)のチロロ岳(1880m)を登った。 登山口へのパンケヌーシ林道は2016年夏台風で崩壊したが、昨年復旧工事が完了して通行出来るようになった。 当初は沢が雪で覆われた5月の残雪期に登る予定だったので、6月から一般開放する予定という林道のゲートの鍵の番号を日高北部森林管理署に聞いていたが、今回は林道の一部に不良箇所があるとのことで、登山口の2キロほど手前の臨時駐車場からのスタートとなった。
前半は沢登りのルートなので、融雪期特有の沢の残雪の状態と水量の多さが気掛かりだったが、曲り沢は予想以上に水量が少なく、渡渉箇所は全て膝下の高さだった。 沢の区間はゴム底の沢靴で登ったが、岩は滑らないものが多く、要所要所にあるピンクテープや補助ロープに助けられて遡行は容易だった。 標高1420mの尾根乗越の手前からようやく残雪が沢を覆い始め、沢靴に6本爪のアイゼンを着けて急斜面の細い沢を登る。 尾根乗越から笹藪の切り裂きを僅かに下った二ノ沢は露出していたが、その少し先で足元の沢音がしなくなったので登山靴に履き替える。 残雪に覆われた広くて明るい二ノ沢の源頭は予想どおり快適だったが、熊のトレースがあったのが玉にキズだ。 労せずしてチロロ岳とチロロ西峰の分岐(1713m地点)に着くと、明日から登る1967峰などの北日高の名峰がずらりと頭を揃え、思わず歓声を上げる。
西峰分岐からチロロ岳の間には残雪が皆無で、ハイマツに覆われた登山道を足元の感覚を頼りに登るが、踏み跡は見た目よりも明瞭だった。 快晴の天気に恵まれたチロロ岳の山頂からの展望は素晴らしく、眼前の日高山脈北部の山々はもちろん、十勝連峰や大雪の山々、ニペソツ山や暑寒別岳も遠望された。 予想よりも早く登山口から4時間ほどでチロロ岳に着いたので、予定どおり指呼の間の西峰に向かう。 西峰分岐からは登山道の大部分が残雪に覆われていたので楽だった。 山名板のない西峰の山頂は地味だったが、展望の素晴らしさはチロロ岳と比べて全く遜色がなかった。 残雪を使える帰路は予想どおりスピーディで快適だった。 平日だったので山は終日貸し切りだった。