2  0  2  1  年    4  月  

《 23日 》    群別岳

   群別川林道融雪終了点 〜 林道終点 〜 609m地点 〜 648m地点 〜 1079m地点 〜 群別岳  (往復)

   北海道百名山の未踏の山(47座)のうち石狩・空知(石狩市・増毛町)の群別岳(1376m)を登った。 群別岳はマイナー12名山の一峰でもあり、以前からどのようなルートで登頂するか思案していたが、今回は雪解けが例年よりも半月早いということで、昨今では一番ポピュラーなルートと思われる群別川林道からのアプローチとした。

   二週間以上前に隣の浜益岳に登った帰路に登山口の林道の下見をした時は舗装路面の終点となる墓地までの融雪だったが、融雪が進んで今回は墓地から3キロ弱の橋の先まで車で入れた。 明るくなった5時前に融雪終了点付近の駐車地を出発。 放射冷却で雪が良く締まっていたのでつぼ足で林道を歩く。 5分ほど先に車が1台停まっていたが、新しい靴跡は見られなかったので釣りの人のものだと思われた。 熊除けのステレオの音を響かせながら予想以上に多いトレースのある林道を歩く。 標高が低いこともあるが、周囲の山の斜面の残雪は少なく、すでに群別岳のシーズンは終わってしまったのではないかと不安になった。 1時間半を要して5キロ半ほどの林道を歩き終え、スノーブリッジが残る小沢を渡って幅の広い緩やかな尾根に取付く。 ここまでの雪の状態を見て、早々にスノーシューをデポした。 白樺のたおやかな尾根は癒やし系で、マイナー12名山の厳しさは全く感じられない。 台地上の609m地点からは憧れの群別岳が凜々しく望まれ思わず息を呑む。 予報以上の快晴の天気で足取りは軽い。


国土地理院の地形図


融雪終了点付近の駐車地


駐車地から林道終点へ


駐車地と林道終点の間のゲート


駐車地から林道終点へ


駐車地から林道終点へ


林道終点


林道終点からへ609m地点へ


林道終点からへ609m地点へ


林道終点からへ609m地点へ


林道終点からへ609m地点へ


609m地点


609m地点から見た群別岳


   609m地点から実質的な取付きとなる648m地点の間は地形図では読み取れない複雑な地形となり、トレースは拡散して予想以上にルーファンに時間が掛かった。 648m地点付近でアイゼンを着けていると後続者の鈴の音が聞こえ、単独者が谷を挟んだ対岸のルートを進んでいるのが見えたが、隣接する幌天狗(1222m)に登るのだろうとこの時は思った。 648m地点から1079m地点へは見通しの良い疎林の尾根となり、途切れ途切れの古いトレースは追わずに最短距離で登る。 意外にも1079m地点の手前で先ほどの単独者が沢を登ってこちらに向かってくるのが見えたので驚いた。 1079m地点に着くと、眼前に群別岳のシンボルとも言える荒々しい岩塔が指呼の間に見えたが、意外にも新しい明瞭なトレースが単独者が辿っている谷から岩塔の基部に向けて印されていた。 この岩塔の通過がこの山の一番の核心となるため、トレースが山頂まで伸びていることを願った。


609m地点から648m地点へ


609m地点と648m地点の間から見た幌天狗


609m地点から648m地点へ


648m地点から1079m地点へ


648m地点から1079m地点へ


648m地点から1079m地点へ


648m地点から1079m地点へ


648m地点から1079m地点へ


   1079m地点から僅かに下ると谷からのトレースと合流したが、トレースは複数でしかも昨日の新しいものだった。 岩塔の基部までは無木立の傾斜のやや緩い顕著な尾根で登り易く、トレースは予定していたルートと同じで基部の少し下から右のダケカンバの藪に向かっていた。 藪の間隔は予想以上に広く、ストレスは全く感じなかった。 僅かな時間で藪を通過すると山頂に続く尾根の全容が見えたが、尾根には予想以上の残雪があり、岩塔の下をトラバースする明瞭なトレースも見えたので嬉しかった。 後続者もいるのでトラバース区間のトレースを丁寧に踏み固めながら進む。 トレースがなければこの区間の通過に 1時間近くの時間を要しただろう。 核心のトラバース区間を終えると山頂までは正にビクトリーロードとなり、良いトレースに恵まれたことで目標の6時間以内で群別岳の山頂に着いた。


1079m地点


1079m地点から見た奥徳富岳


1079m地点から見た群別岳直下の岩塔


1079m地点から群別岳へ


1079m地点から群別岳へ


1079m地点と群別岳の間から見た1079m地点


1079m地点から群別岳へ


1079m地点から群別岳へ


1079m地点から群別岳へ


1079m地点と群別岳の間から見た群別岳


1079m地点と群別岳の間から見た岩塔


群別岳の山頂


   山頂はストイックな山容どおり猫の額ほど狭く、意外にも先人が掘り起こした味わいのある大きな山名板が見られた。 快晴微風の山頂からの展望は素晴らしく、この山から見えるべく山々の全てが見渡せた。 写真やビデオを撮りながら登頂の余韻に浸っていると、奥徳富岳(1346m)方面から縦走してくるスキーヤーの姿が見えたので、林道に停まっていた車の主が釣り人ではなかったことが分かった。 間もなく先ほどの単独者とスキーヤーが相次いで山頂に到着し、素晴らしい景色を肴に皆でしばし山談義に花を咲かせた。 今日の登頂者は私を含め3人だけだったが、皆それぞれ違ったルートで登ってきたことが面白かった。 単独者は群別岳は二回目ということだったが、前回も同じルートで登られ、また沢のルートを登る人も多いとのことだった。


山頂の山名板


山頂から見た浜益岳


山頂から見た暑寒別岳


山頂から見た南暑寒岳


山頂から見た奥徳富岳


山頂から見た幌天狗


山頂から見た旭岳(左遠景)・忠別岳(中央遠景)・十勝連峰(右遠景)


   1時間以上も山頂で至福の時間を過ごし、正午前に去りがたい山頂を後にする。 天気が安定していれば奥徳富岳へ縦走してから648m地点に下って周回する計画だったが、群別岳への思い入れと達成感が強すぎたのか、不覚にもその計画を全く失念してしまい、意気揚々と足早に往路を下ってしまった。 登りではそれほど感じなかった長い林道歩きは目標を失った身には堪えた。


山頂から1079m地点へ


山頂と1079m地点の間から見た浜益岳


山頂と1079m地点の間から見た奥徳富岳


山頂と1079m地点の間から見た幌天狗


麓から見た幌天狗・群別岳・奥徳富岳・黄金山(左から)


【前泊地】 浜益駐車公園   

【宿泊地】 札幌のアパート


2 0 2 1 年    ・    山 行 記    ・    T O P