2  0  2  1  年    4  月  

《 11日 》    知床岳

   相泊 〜 カモイウンベ川河口(取付き) 〜 渡渉点 〜 474m地点 〜 羅臼町・斜里町境 〜 知床岳  (往復)

   北海道百名山の未踏の山(53座)のうちオホーツク(斜里町)の知床岳(1254m)を登った。 前泊した道の駅『知床・らうす』で男女二名の登山者の姿が見られたのでお声掛けすると、これから知床岳を登られるとのことだったので、熊と出遭うのが怖いので同行をお願いしたところ快諾していただいた。 車道の終点の相泊の集落の外れから取付きとなるカモイウンベ川の河口まで番屋が点在する海岸線を1キロほど歩く。 海岸から山に登るのは記憶の限りでは初めてだ。 カモイウンベ川の河口を飛び石伝いに渡って予定していた取付き点に着くと、付近には目印となるようなものは一切無く、電柱の脇に見つけた微かな踏み跡を頼りに笹藪を漕ぎながら尾根の背の立木に向けて強引に登る。 しばらく藪と格闘すると尾根が消失して残雪が僅かに残る平坦地に出た。 付近には幾つかの古いトレースが見られたので、とりあえずスタートラインに立てたようで安堵する。 所々で笹藪が出ている殆ど勾配を感じない広い扇状地を途切れ途切れのトレースを繋ぎながら進む。 正に秘境の知床半島の雰囲気が漂っていたが、ルーファンに気を取られていると、いつの間にか男女ペアと離れ離れになってしまった。 トレースも見当たらなくなってしまったので、GPSを頼りにカモイウンベ川に沿って予定していたルートを歩く。 取付きから1時間半ほどでカモイウンベ川の支流の沢の徒渉点に着くと、すでに健脚の男女ペアのトレースがあったので安堵した。 長靴を持参してきたが、沢は予想よりも幅が狭く水量も少なかったので、飛び石伝いに渡れた。


国土地理院の地形図


道の駅から見た国後島


道の駅付近から見た羅臼岳


道の駅と相泊の間で見たご来光


道の駅と相泊の間から見た知床岳


車道の終点の相泊の集落の外れの駐車地


相泊からカモイウンベ川河口へ


相泊からカモイウンベ川河口へ


カモイウンベ川の河口付近から見た尾根の取付き


取付きから徒渉点へ


取付きから徒渉点へ


取付きから徒渉点へ


取付きから徒渉点へ


取付きから徒渉点へ


徒渉点


   徒渉点からはようやく標高が稼げる登りとなり、トレースを辿って行くと間もなく休憩されていた男女ペアに追いついた。 休憩場所で男女ペアと雑談を交すと、お二人は北海道にお住まいのSさんという夫婦で、お二人揃って北海道百名山(118座)にチャレンジされ、今回の知床岳で残り僅か3座ということだった。 念のため明日の予定を伺うと、奇しくも私と同じ海別岳とのことで嬉しかった。 休憩場所からは地形図の474m地点を目指して進む。 ようやく背後に海(根室海峡)が見えてきたが、懐深い知床岳の山頂方面はまだ全く見えない。 特徴のない丘のような474m地点を過ぎると雪が少し緩んできたのでスノーシューを履く。 核心部と想定していた顕著なハイマツの尾根の基部に着くと、それまで薄かったトレースが明瞭になり、尾根の背を覆う濃いハイマツとの際につけられたトレースをアイゼンに切り替えて快適に登る。 トレースに助けられ労せずして尾根を登り終えると無木立の緩斜面となり、知床連山の硫黄山(1562m)の雄姿が望まれた。 予想どおりこの辺りから知床の風が吹いてきたが、日射しが強く体感気温が高いので助かった。 知床半島を二分する羅臼町と斜里町の境の目立たない尾根を乗越すと、ようやく眼前に待望の知床岳の山頂が望まれた。


徒渉点から474m地点へ


徒渉点から474m地点へ


徒渉点から474m地点へ


徒渉点から474m地点へ


徒渉点と474m地点の間から見た海(根室海峡)


徒渉点から474m地点へ


474m地点から羅臼町・斜里町境へ


474m地点から羅臼町・斜里町境へ


474m地点から羅臼町・斜里町境へ


474m地点から羅臼町・斜里町境へ


474m地点から羅臼町・斜里町境へ


474m地点と羅臼町・斜里町境の間から見た海(根室海峡)


474m地点から羅臼町・斜里町境へ


474m地点から羅臼町・斜里町境へ


474m地点から羅臼町・斜里町境へ


474m地点から羅臼町・斜里町境へ


474m地点から羅臼町・斜里町境へ


474m地点と羅臼町・斜里町境の間から見た硫黄岳


474m地点から羅臼町・斜里町境へ


羅臼町と斜里町の町境


町境付近から見た知床岳


   町境の尾根を越えて僅かに下り、指呼の間の知床岳への緩やかな登りに入る。 危惧していたハイマツの藪はまだ雪の下で、風により雪も良く締まっていたので、予想とは真逆に快適に登ることが出来た。 予報以上の快晴の天気と良い同行者に恵まれ、相泊から6時間ほどで最果ての地の山の頂に辿り着いた。 山頂に吹く風はさすがに冷たかったが、四方に海が見える日本離れしたユニークな景観はとても新鮮で、国後島の最高峰の爺爺岳(1822m)も遠望された。 知床岳を訪れる人は少ないだろうが、北海道百名山はもちろん国内の山の中でも正に珠玉の一峰と言えるだろう。


町境から知床岳へ


町境から知床岳へ(Sさんの撮影)


町境から知床岳へ


町境から知床岳へ


町境から知床岳へ


知床岳の山頂


山頂から見た硫黄山


山頂から見た知床岬方面


山頂から見た北東方向の風景


山頂から見た北西方向の風景


知床岳の山頂


   好天の日曜日にもかかわらず山は私達だけで貸し切りで、当初はスキー登山を計画していたというSさん夫妻は所々ソリで滑りながら下山していった。 私も意気揚々と登頂の余韻に浸りながら足取りも軽く下ったが、一番最後に海岸直前の笹藪で道を失い、密藪の中を皆で右往左往して難儀した。 下山後はSさんオススメの温泉に立寄り、明日の海別岳の前泊地としていた道の駅『しゃり』に向かった。 今日は山も最高に素晴らしかったが、それ以上にSさん夫妻という素敵な岳人と知り合えたことが印象に残った。


山頂から町境へ


山頂から町境へ


町境から474m地点へ


町境から474m地点へ


町境から474m地点へ


474m地点から渡渉点へ


渡渉点


渡渉点から取付きへ


渡渉点から取付きへ


海岸直前の笹藪


カモイウンベ川河口の渡渉点


駐車地付近の案内板


                                               【前泊地】 道の駅知床・らうす

                                               【立寄湯】 らうす第一ホテル

                                               【宿泊地】 道の駅しゃり


2 0 2 1 年    ・    山 行 記    ・    T O P