《 24日 》 昼闇山
焼山温泉 〜 アケビ平 〜 昼闇谷 〜 昼闇山の肩 〜 昼闇山 〜 1111m地点 〜 アケビ平 〜 焼山温泉 (周回)
新潟県糸魚川市の昼闇山(1840m)を登った。 15年前に笹倉温泉から隣の焼山にスキーで行った時からずっと気になっていた山で、思惑どおり阿彌陀山(1511m)や烏帽子岳(1450m)など海谷山塊の日本離れした山岳景観を楽しめた。
未明に登山口の焼山温泉(休業中)に着くと地元ナンバーの車が一台あり、ここを起点とする林道の除雪終了点から単独者の新しいトレースが見られた。 週末は多くのスキーヤーで賑わう昼闇山なので、予想どおり林道には古いトレースが幾つも見られた。 単独者のトレースは途中の昼闇谷の手前から左方向の尾根に向かっていたので、昼闇山の山頂を目的としない山スキーヤーだろうと思われた。 先行者のトレースと別れ、計画したルート上の昼闇谷を目指すが、GPSの不調も手伝ってしばらく尾根筋を登ってしまった。 標高を落とさずに右の足下に見えてきた谷に向かってトラバースしたが、予想以上に時間が掛かるため仕方なく一旦谷に下った。 広い昼闇谷を詰めて1104m地点の手前から右手の顕著な尾根に乗って昼闇山の肩に向かう。 数日前に降雪があったためか、トレースは一片も見られなくなり、さらにもう一回尾根を乗換える必要があった。 展望の良い疎林の尾根は雪の状態も良く登り易かったが、雪庇の名残が見られた昼闇山の肩の直下は少し急だった。
広い昼闇山の肩からの展望は素晴らしく、ここを目的とする人も多いことが頷けた。 肩から見た昼闇山への尾根はそれほど困難ではなさそうに思えたが、計画していた尾根の中央部ではなく、より安全そうに思えた尾根の右側の薮の斜面に向けてピッケルを2本使って慎重に登った。 幸運にも予想は的中し、薮の斜面は雪の状態が良く傾斜も少し緩んだので登り易くなった。 薮が無くなると地形図どおりの緩やかで歩き易い尾根となり、突然少し古いが明瞭なトレースが見られた。 登山口から6時間を要して昼闇山の山頂に着くと、意外にもタッチの差で反対方向から登山者が登ってきた。 登山者は先ほど見たトレースの主で、地元の糸魚川のHさんという方だった。 昼闇山からの展望は肩よりも更に素晴らしく、この山がなぜ新潟百名山にノミネートされていないのか不思議に思えた。
予定ではピストンだったが、Hさんとトレースを交換する形で反対方向の尾根を下って周回することになり、図らずも山行の印象度がより深まった。 昼闇谷の手前から1111m地点を通って真っ直ぐに山頂に伸びる尾根は所々に短い急斜面があるもののルートは明瞭で登り易く展望も良かった。 アケビ平の手前からは雪が腐り始めたのでスノーシューを履いて歩いた。 下山も私の方が少し早かったが、登山口でHさんと再会し、Hさんが辿られた時計回りの周回がこの山の理想的なルートだろうという意見で一致した。