《 7月20日 》

   ツェルマット(1600m) ⇒ スネガ(2288m) ⇒ ブラウヘルト(2571m) 〜 ステリゼー(2537m) 〜 フルーエヒュッテ(2607m)  (往復)

   7月20日、6時前に起床して外を見ると快晴の天気だったので、慌ててマッターホルンの写真を撮りに日本人橋に向かう。 川沿いの道を歩いていくと、橋の上は100人くらいの人で鈴なりだった。 すでに朝焼けは終わってしまったが、雲の無いマッターホルンの写真を何枚も撮った。 山肌は黒く、また山頂直下の氷河も以前より薄くなったように思えた。 

   朝食後は妻のリハビリを兼ねてフルーエヒュッテまでのハイキングに向かう。 妻は2か月ほどまともに歩いていないので、アパートから15分ほどのスネガ行きの地下ケーブルの駅まで30分近く掛けて歩いた。 地下ケーブルは10分毎の運行で、2288mのスネガまで5分ほどだ。 料金はその先のブラウヘルトまで往復で26.5フラン(邦貨で約3,000円・半額カード使用)だった。 スネガはツェルマット滞在時には必ず訪れているマッターホルンの展望台だが、今日は展望もさることながら妻のリハビリが第一だ。 少し雲が纏わり始めたマッターホルンの写真を撮ってゴンドラでブラウヘルト(2571m)に上がる。 その先のロートホルンへのロープウェイは、永久凍土が温暖化の影響で溶けたことによる支柱の不具合で今シーズンは運休となっていた。 

   ブラウヘルトからステリゼー(湖)を経由してフルーエヒュッテに向かう。 道標に記されたコースタイムはステリゼーまでが15分、フルーエヒュッテまでが40分だった。 ステリゼーまでは人気のルートなので、前後を歩いている人が多い。 気温の上昇で雲が湧き始めたので山々の展望は冴えないが、周囲に咲き誇る高山植物はまさに今が盛りで、出発の前日に買ったばかりの新しいカメラの撮影の練習にちょうど良かった。 ブラウヘルトからのんびり1時間ほどかけて多くのハイカーで賑わうステリゼーの湖畔着いた。 少し疲れの見えた妻を休ませ、目と鼻の先のフルーエヒュッテまで往復する。 湖畔でランチタイムとしながら“逆さマッターホルン”を狙ったが、僅かに吹いている風は止まず、マッターホルンに纏わりついた雲もなかなか取れなかった。 帰路は少し踏み跡の薄いルートでブラウヘルトに戻ったが、高山植物はこちらの方が多かった。 ブラウヘルトからはようやくヴァイスホルンが望まれるようになり、私のみヴァイスホルンの写真を撮りながら歩いてスネガまで下った。 スネガから地下ケーブルでツェルマットに下り、ミグロで食料品を買ってアパートに帰った。

   アパートでシャワーを浴び、5時に田村さんと待ち合わせた土産物店『WEGA』の前に行くと、偶然そこをAGの近藤さんが通りかかったのでお互いに驚いた。 私は7年前のマナスルで、妻は10年前のオホスで一緒に山に登った時以来だった。 しばらく近藤さんと雑談を交してから13年ぶりに再会した田村さんと近くの喫茶店で今回の登山の全般的な打ち合わせをしたが、話はついついネパールの山々に脱線してしまい、予想どおり雑談の方が長くなってしまった。 今回の私のガイドはダビッド・ウィッキーという人で、田村さんと親しいミッキーというマッターホルンではナンバーワンのガイドから紹介されたようだ。 ダビッドはフィスプの近くに住んでいるので、登山口まで車で送迎してくれるとのことだった。 日程については第一希望のヴァイスホルンの方が先だったが、ダビッドから先にダン・ブランシュを登った方が良い(私の技量を見たいからだろう)というリクエストがあったので、これに応じることにした。 また意外にもヴァイスホルンは一般ルートの東稜ではなく、反対側の北稜を登るという提案があったとのこと。 これについてはまだ確定ではなく、ダン・ブランシュが終わった時点でまた検討するとのことだった。 ガイドがフィスプの近くに住んでいるなら、第三希望のグラン・コンバンも同じガイドに依頼した方が良いのではないかと思い、田村さんに追加でガイドの確保をお願いした。

   打ち合わせが一段落したところで、新しいアクティブマウンテンの事務所(田村さんの自宅の一室)を教えていただき、スタッフの岩井さんとも13年ぶりに再会した。 奇しくも私達がツェルマットに着いた一昨日、田村さんと二人でヴァイスホルンに登られたとのことだった。


“日本人橋”から見たマッターホルン


スネガの展望台


ブラウヘルトからステリゼーへ


センペルビブム


ゲンチアナ


グロブラリア


アルペンスター


ティムス・ポリトリクス


ケラスティウム


タカネシオガマ


ロトゥス・アルピヌス


アスター・ベリディアストルム


ステリゼーから見たマッターホルン


ステリゼーから見たダン・ブランシュ(中央)とオーバーガーベルホルン(右)


フルーエヒュッテ


ブラウヘルトから見たヴァイスホルン


田村さんと待ち合わせした場所に偶然通りかかった近藤さん


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