《 10月1日 》
C.1 ( 6 4 0 0 m ) ⇒ A.B.C ( 5 7 0 0 m )
10月1日、緊張感から解放された清々しい朝を迎えた。 昨日ほどの快晴ではないが、チョ・オユーの山頂方面が良く見える。 今日はA.B.Cへ下るだけなので、朝食は行動食の余り物などで簡単に済ませた。 チョ・オユーの山頂からのご来光を拝み、出発の準備をしていると、意外にもC.2に順応に向かうAG隊のメンバーの中に、2003年に故坪山淑子さんと共にチョ・オユーに登られた高田さんの姿があった。
沢山の荷物で膨れ上がった荷物を担いで8時半過ぎにC.1を出発する。 順応はしているが、重荷と全身の疲労で足が重い。 ガレ場の急斜面をおぼつかない足取りで下り、取り付きからもう3度目となるA.B.Cへの登り下りが繰り返し続くモレーンの道を歩く。 目標を失った身には堪えるが、それも今日で終わりだ。 昨日の今シーズン初登頂の報を受けてか、今日はA.B.CからC.1に向かう人や隊が今までになく多い。 朝方良かった天気は昼前から早くも下り坂となり、昨日のうちにC.1に下りてきて良かった。
一足先にA.B.Cに着いていた五味さんやキッチンスタッフのドゥルゲ・タシ・クインジョに迎えられ、正午に待望のA.B.C(5700m)に着き、間もなく到着した柴田さんやるみちゃんと早速ビールやスプライトで祝杯を上げた。 昼食は鶏丼にツナサラダ、ランチョンミート、いんげんのゴマ和えなどの付け合せで、ここ数日ろくなものを食べてなかったのでお腹一杯に食べた。 もうこれからは一切制約なく飲み食い出来るのが嬉しい。 倉岡隊のメンバーや重荷を背負ったシェルパ達も順次A.B.Cに下りてきた。 昨日の安定した好天が嘘のように再び不安定な天気に逆戻りしたのか、夕方前から雪が降ってきた。 夕食後は登頂ケーキが振る舞われ、メンバー一同大いに盛り上がった。