《 9月16日 》

B.C ( 4 9 0 0 m ) ⇒ A.B.C ( 5 7 0 0 m )

   9月16日、今朝もB.Cからチョ・オユーの頂が良く見えた。 今日は5日間のB.Cでの滞在を終え、いよいよ実質的なB.CとなるA.B.C(5700m)に上がる。 一昨日A.B.Cに泊まっているので不安感は全くないが、風邪が完治していないことが気掛かりだ。 

   朝食後、倉岡隊と共にティンリから呼んだ車で7時半にB.Cを出発。 早朝にも関わらず危惧していた舗装工事はすでに始まっていて、前回より更に手前で工事用の重機が道を塞ぎ、先に進めなくなってしまった。 車の運転手にお金を渡して重機のオペレーターと交渉してもらったが駄目で、仕方なくそこから車を降りて工事中の道路を歩き始める。 高度計の標高はまだ5170mだった。 退屈な車道を延々と歩くのは辛いが、次第に雲が湧き始めたチョ・オユーの雄姿が正面に望めるのが救いだ。 A.B.Cの場所は分っているので、倉岡隊とは別に最初から各々のペースで歩く。 30分ほどゆっくり歩くと、先行する平岡さんや柴田さんの姿は遥か前方となる一方、後方の倉岡隊のメンバーの姿は全く見えなくなり、順応の違いが明らかだった。 車を降りた所から1時間以上歩き続け、ようやく舗装工事の終了点となるギャブルン(5450m)に着いた。 ギャブルンの峠の先からダートの車道をしばらく歩くと、先行していた柴田さん達が休憩していたが、その後はA.B.Cまで皆に追いつくことはなかった。 

   ギャブルンから先の長くて遠い道の記憶は新しく、前回は殆ど休まずに歩き続けた道をこまめに休憩を取りながら進む。 行き交う人もなく、時折前を行くるみちゃんの姿が見える。 順応が進んだ今日はもう少し楽に歩けるかと思ったが前回とあまり変わらず、それどころかサイドモレーンの背を登り始めると頭痛が始まった。 ドゥルゲに作ってもらった梅干しのおにぎりを食べて英気を養う。 歩き始めて6時間後の2時にようやくA.B.Cに着いた。 

   途中で追い抜いていったヤクの集団は私達の隊荷ではなかったようで、キッチンテントの中で荷物の到着を待つ。 1時間後にようやく荷物を満載したヤクが到着し、スタッフに個人用テントを設営してもらった。 夕食はダル(豆)スープと日本のルゥーを使ったカレーライスで美味しく食べられた。 夕食後のSPO2と脈拍は74と72で、時々軽い頭痛がした。 十五夜の月で空は明るいが、チョ・オユーの頂は雲の中だった。


5日間滞在したB.Cを撤収する


倉岡隊と共にティンリから呼んだ車でB.Cを出発する


前回より更に手前で工事用の重機が道を塞ぎ、先に進めなくなってしまった


次第に雲が湧き始めたチョ・オユーの雄姿を望みながら退屈な車道を延々と歩く


ギャブルンの峠の先のダートの車道で先行していた柴田さん達が休憩していた


こまめに休憩を取りながらマイペースで進むと、時折前を行くるみちゃんの姿が見えた


サイドモレーンの背への取り付き


キッチンテントの中で荷物の到着を待つ


荷物を満載したヤク


A.B.Cから見たチョ・オユー


A.B.Cの個人用テント


夕食のカレーライス


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