《 9月9日 》

ティンリ ( 4 3 2 0 m ) ⇒ 高所順応 ( 4 9 0 0 m )

   9月9日、7時に起床。 予想どおり夜中は軽い頭痛で3〜4回目が覚めた。 ラサでの二泊目と同じくらいだ。 室温は19度と日本の晩秋くらいの感じになってきた。 お腹の調子はほぼ回復したが、今度は黄色い淡が出て鼻の調子が少し悪い。 起床後のSPO2と脈拍は83と60。 朝食はとてもシンプルで、万頭と僅かに餡の入ったパンと玉子焼きだった。

   今日はティンリでの滞在日だ。 朝食後に今日からB.C入りするシェルパ達を見送り、9時半に倉岡隊とは別行動で町から少し離れた5000m級の丘のような山を登りに行く。 今日は久々に朝から晴れていて、町外れの川に架かる橋の上から悠然と聳える目標のチョ・オユーが望まれ、その左にはエベレストも肉眼ではっきり見えた。 ホテルからシガツェ方面に3キロほど車道を歩き、青い看板と電柱が立つ草付の斜面を適当に登っていく。 しばらくすると微かな踏み跡やケルンなどが見られるようになり、登り易くなってきた。 こんな地味な山でも登られていることが不思議に思えた。 この夏にペルーの6000m峰を登っている柴田さんやるみちゃんの登高スピードにはついて行けないのでマイペースでゆっくり登る。 右手にシシャパンマ(8013m)と思われる山が見えてきた。 雲が少し出てきたが、風もなくまずまずの登山日和だ。 斜面の傾斜は次第に緩やかになり、取り付きから1時間半ほどでタルチョが張り巡らされた広く平らなピークに着いた。 標高は柴田さんのGPSで4700mだった。


ホテルのレストラン


朝食の万頭と僅かに餡の入ったパンと玉子焼き


今日からB.C入りするシェルパ達を見送る


道路の脇を歩く牛


町から少し離れた5000m級の丘のような山(正面)を登りに行く


町外れの川に架かる橋の上から見たチョ・オユー(右端)とエベレスト(左端)


5000m級の丘のような山へ電柱が立つ草付の斜面を適当に登っていく


柴田さんやるみちゃんの登高スピードにはついて行けないのでマイペースでゆっくり登る


シシャパンマ方面の山々


チョ・オユー


雲が少し出てきたが、風もなくまずまずの登山日和となった


タルチョが張り巡らされた広く平らな4700mのピーク


   今日の順応はここまでの予定だったが、あと二日後には4900mのB.Cまで上がらなければならないので、もうひと頑張りして前方に見える次のピークまで足を延ばすことになった。 一旦コルまで100mほど下って登り返すので予想よりもハードだったが、1時間ほどでケルンが積まれただけの地味なピークに着いた。 標高は4900mほどだった。 あいにく高い山はみな雲に隠れてしまったが、5000m近くまでの順応が出来て良かった。  帰路は最初の4700mのピークには戻らずに、直接眼下に見える車道を目指して踏み跡のない斜面を適当に下り、最後は取り付いた電柱の立つ草付の斜面を下って車道に降り立った。 往きには感じなかったが、3キロほど車道歩きは退屈で足が棒になった。

 

前方に見える次のピークまで足を延ばす


4700mのピークから次のピークへの登り


次のピークへの登りから見た4700mのピーク


ケルンが積まれただけの地味な4900mのピーク


国道から見た4700mのピーク(中央右手前)と4900mのピーク(中央左奥)


   2時半にホテルに戻り、レストランでトゥクパ(うどん)を食べる。 稲庭うどんのような滑らかな舌触りでとても美味しく、つゆの味は意外にも日本のものと全く変わらなかった。 食後に倉岡さんが町で手に入れたという羊の肉を煮込んだスープを少しいただいた。 私達の後から出発した倉岡隊は、最初の4700mのピークまでとしたとのことだった。 夕方のSPO2と脈拍は85と66で、体調もまずまず良かった。 夕食は今日もホテルのレストランで食べたが、昨日よりも中華料理のバイキングの内容が悪くてがっかりした。


オールド・ティンリの町と宿泊したホテル


稲庭うどんのような滑らかな舌触りのトゥクパ(うどん)


倉岡さんが町で手に入れたという羊の肉を煮込んだスープ


夕食はホテルのレストランで質素な中華料理のバイキングを食べた


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