《 19日 》 大平山 ・ 社山
銅親水公園 〜 大平山 〜 社山 〜 銅親水公園 (周回)
2年前の冬に日光の中禅寺湖畔から登った大平山は足尾山塊の山なので、次回は是非足尾方面から登ってみようと思っていた。 今回は足尾の銅親水公園から松木尾根を辿って大平山に登り、中禅寺湖南岸尾根を社山へ縦走してから、社山の南尾根を辿って銅親水公園に下る一番理想的な周回ルートとした。
登山口の銅親水公園の駐車場を6時に出発し、久蔵沢林道の途中から安蘇沢林道に入る。 駐車場から林道を40分ほど歩いた所にあるカーブミラーから微かな踏み跡を辿って右上に見える松木尾根の支尾根へ標高差で50mほど登る。 登り着いた支尾根には目印やテープ類は一切なかったが、支尾根は顕著で踏み跡もあって登り易かった。 天気は予報以上の快晴となり、朝陽が当たり始めた周囲の山々が美しい。 支尾根が松木尾根と合わさる1179m地点は展望が良く、これから辿る大平山方面と社山の南尾根が良く見えた。 念のためワカンも担いできたが、山肌には一片の雪も見られず、大平山まで順調に登れれば、計画したルートで周回出来そうに思えた。
松木尾根の1179m地点から次の目標となる1355m地点までは地形図どおり勾配が緩やかで、所々で見られた踏み跡も実線の登山道のように明瞭だった。 1355m地点の直下で先ほど通った安蘇沢林道を横切る。 1355m地点にはソーラー発電による気象観測器があった。 1355m地点から先は勾配がやや急になったが、尾根は引き続き顕著で登り易かった。 このまま順調に大平山まで行けそうに思えたが、標高1500m付近からは笹の背丈が高くなり、尾根の幅が次第に広くなると踏み跡を見つけるのが難しくなった。 標高1600m付近からは勾配が緩やかになり、木々も疎らになったが、笹の背丈が一層高くなり藪漕ぎを強いられた。 次の目標となる1805m地点の手前でようやく笹の背丈が低くなり、獣道も見られるようになってきたので安堵する。 この辺りからは鹿の群れを頻繁に見かけるようになり、今日一日で延べ100頭以上の鹿を見た。 1805m地点から先も笹原の緩やかな尾根が続き、右手にようやく見え始めた大平山のたおやかな山頂までの稜線漫歩となった。 一部で藪漕ぎはあったものの松木尾根は予想どおり登り易く、銅親水公園から4時間で人待ち顔の大平山の山頂に着いた。
大平山から先では僅かに積雪があったが、労せずして中禅寺湖南岸尾根へ合流する。 “通い慣れた”南岸尾根の縦走路には殆ど雪が無かったので、予定よりもだいぶ早く歩けた。 純白の雪稜も良いが、笹原の山肌も独特の趣があって面白い。 足尾の山々のみならず、日光の山々もこの時期にしては雪が少ない。 1792m峰へ踏み跡どおりに歩いていくと、山頂を踏まずに巻いてしまった。 社山の山頂付近には新しい足跡は見られず、予想どおり今日の山は貸し切りだった。
社山からの下山に辿った南尾根は6年前の残雪期に往復しているのでルートの記憶は新しいが、無雪期でも藪は一切なく歩き易い尾根であることがあらためて分かった。 前回は南尾根の1182m地点から急斜面の支尾根を辿って久蔵沢林道に下ったが、今回はもう少し先の1012m地点まで南尾根を下る。 1012m地点には『久蔵雨量観測所』の建物があり、その少し先から観測所の巡視路を辿って登山口の銅親水公園に通じる久蔵沢林道に下った。