《 27日 》 巻機山
桜坂 〜 前巻機 〜 巻機山 〜 牛ケ岳 (往復)
久々に新潟に晴れマークが出たので、先週まとまった雪が降った巻機山を登りに行った。 喧噪の巻機山も三連休の後なので静かなはずだ。 巻機山は7年前の4月にスキーで登って以来だ。
雪は山麓の清水の集落の手前の道路脇から見られたが、三連休の入山者のお蔭で登山口の桜坂の駐車場まで車で入れた。 未明の駐車場には平日にもかかわらず車が2台停まっていた。 明るくなった6時半前に駐車場を出発。 今日は展望の良い井戸尾根ルートを往復する予定だ。 登山口からしばらく登山道の雪は三連休の入山者により溶けていたのでコースタイムよりも早く登れた。 右手でストックが使えないため、スノーシューではなくワカンを持ってきたが、それも使わずに済みそうに思えた。 登山道が雪で覆われるようになると古いトレースの上に新しい靴跡が見られ、先行者がいることが分かった。
天気は予報以上の快晴となり、1時間ほど登った五合目辺りからは逆光ながら谷川の山々が良く見えた。 割引岳を望む六合目を過ぎると積雪が一段と増し、ツボ足のトレースは歩きにくくなった。 森林限界となる1564m地点からは眼前に前巻機山が良く見渡せたが、先行者の姿は見えなかった。 意外にもルート上で一番勾配がきつい1700m付近でトレースは無くなっていた。 ここで幾人かが敗退したということだろう。 降雪直後の積雪は吹き溜まりでは1m近くあったのではないだろうか。 ここから先は急勾配の斜面を直登している真新しいスノーシューの跡と、迂回して登るツボ足のトレースが一つずつ見られた。 指が不自由なのでワカンを履くのが面倒臭く、ツボ足のトレースを辿ることにしたが、気温の上昇で雪が緩み始め、トレースを踏み抜いてしまうので、ワカンを履いてスノーシューのトレースを登ることにした。 ワカンを履いていると上からスノーシューの主が下ってきたので雑談を交わすと、山頂まで問題なく行けたとのことだったが、ツボ足の人は相当苦戦しているとのことだった。
図らずもスノーシューのトレースはワカンで登るにはちょうど良く、労せずして前巻機山の山頂に着いた。 山頂からはそれまで見えなかった巻機山の本峰が眼前に大きく望まれ、前回の記憶が蘇ってくる。 前巻機山の山頂から避難小屋の立つコルに向けて一旦下り、巻機山への緩やかな登りに入ったところでツボ足の主が下りてきたので雑談を交わすと、昨日も登ったが出発が遅かったため時間切れとなり、今日は4時から登り始めてリベンジを果たしたとのことだった。 先行者のトレースのお蔭で予定どおり11時にケルンが積まれた巻機山の山頂に着いた。 すでに何度か登っている山なので新鮮味には欠けるが、快晴無風の山頂からの展望は素晴らしく何もいう事はない。 後続者の姿はなく、今日巻機山を登ったのは私と先ほど出会った2人だけだった。
予想どおりここから先にはトレースはなく雪の状態も不明だが、休むことなく指呼の間の牛ケ岳に向かう。 笹が出ている所は雪が柔らかいため、少し遠回りでもシュカブラを拾いながら歩いていくと、ワカンでもスノーシュー並みの機動力で歩くことが出来た。 鞍部から先ではまだ雪庇となっていない尾根の上が一番良く雪が締まっていた。 全ての良い条件に恵まれ、足取りも軽く正午前に純白の牛ケ岳の山頂に着いた。 展望は本峰よりも一段と良く、眼前の越後三山はもちろん上越県境の山々の全てが見渡せた。 気温は10月並みに暖かいが何故か春霞にならず、新雪を纏った山肌がとても綺麗だ。 午後に入っても雲一つ湧かない快晴無風の天気は続き、帰路の本峰や前巻機山への登り返しも全く苦にならず、目論見どおり平日の静かな山を堪能出来た。