《 3日 》 鳥海山
大清水園地 〜 大倉(五合目) 〜 タッツラ坂(六合目) 〜 屏風岩(七合目) 〜 唐獅子平(八合目) 〜 霧ケ平(九合目) 〜 鳥海山(新山) 〜 七高山 (往復)
9月下旬から予定していた東北北部の紅葉狩りは、台風24号の上陸で一週間ほど順延することになった。 今回もアプローチの車中で地元のテレビ局の天気予報を見ながら、いくつかの候補の中から最終的に登る山を決めたが、前回の東北北部への山行と同じように、北ほど天気が良いという予報だったので、一番行きたかった山形の朝日連峰は止め、初日は鳥海山を日帰りで登ることにした。 鳥海山の山頂へはいくつもの登山道があるが、以前から紅葉狩りの時期に辿ってみたかった「百宅口」から登ることに迷いはなかった。
道の駅『清水の里・鳥海郷』に前泊し、百宅から未舗装の手代林道を進む。 ありがたいことに林道には台風の爪跡は全くなく、路面の状態もそれほど悪くなかった。 鳥海ブルーラインから登る人が多いため、大清水園地の広い駐車場には車が停まっていなかった。 駐車場からは山肌が紅葉した鳥海山が望まれ、今日はこの山にして良かったと嬉しくなった。 大清水休憩所から始まる登山道は道幅が広く勾配も緩やかな癒し系の道だった。 天気は予報や予想よりも良く、青空に紅葉した木々の色が良く映える。 登山道も台風の影響は全く感じられず、この山の紅葉の最盛期に当たったようで足取りは軽い。 大倉(五合目)から唐獅子平(八合目)の間は次々と出現する鮮やかな赤や黄色の紅葉にすっかり酔いしれた。 唯一相棒の妻がいないことが玉にキズだ。
唐獅子平(八合目)から見た鳥海山は“一幅の絵”のようで、このルートのハイライトだった。 傍らに建つ避難小屋はとても雰囲気が良く、一度は泊まってみたいと思えた。 霧ケ平(九合目)を過ぎると紅葉する木々はなくなったが、それに代わって草紅葉が綺麗だった。 登山口から誰とも出会うことなく3時間半ほどで外輪山の百宅口分岐に着くと、鳥海山(新山)の荒々しい山頂が火口(千蛇谷の源頭)を隔てて眼前に見えた。 最短距離で火口に下ってから大小の岩が堆積する新山へペンキマークを頼りに登る。 図らずも9年ぶり3度目の新山の山頂は快晴無風で、今までの中で一番天気と展望が良く、眼下の日本海が良く見えた。
しばらくすると鳥海ブルーラインからの登山者が数人見えたので外輪山の七高山に向かう。 七高山付近からはそれまで見えなかった猿倉口や矢島口、そして中島台方面の紅葉の樹海が眼下に望まれ、その素晴らしさとスケールの大きさに思わず息を呑んだ。 明日は猿倉口から登り、矢島口へ下ろうかとさえ思えたほどだ。 足下が順光となる帰路は上空に雲が湧いてしまったので、素晴らしい写真を撮ることは叶わなかったが、誰ともすれちがうことなく十二分に紅葉狩りを楽しむことが出来た。
 下山後に道の駅で天気予報をチェックすると、明日も秋田県の天気が一番良さそうだったので、秋田県側の登山口から薬師岳を経て和賀岳に登ることにした。