2  0  1  8  年    7  月  

《 1日 》    苗場山

    見倉トンネル 〜 中屋敷 〜 小松原避難小屋 〜 日蔭山 〜 霧ノ塔 〜 神楽ケ峰 〜 苗場山 〜 小赤沢 〜 見倉トンネル  (周回)

   計画の段階では梅雨明けしていなかったこともあり、本谷山・越後駒ケ岳に続いて三週連続新潟県の山に日帰りで登った。 苗場山の山頂に至るルートは幾つかあるが、過去2回はいずれも和田小屋からの往復ルートだったので、次回は是非反対側の秋山郷から登って小松原湿原へ縦走したいと思っていたが、諸条件が整わず今回このタイミングでの日帰り登山となった。 

   今回辿ったルートは、新潟県津南町の見倉トンネルから小松原湿原を経由して苗場山に登り、長野県栄村の秋山郷の小赤沢集落へ下るというもので、下山口から登山口の間の車道は自転車を利用した。 登山口の標高が高い小赤沢コースの三合目から登った方が苗場山の山頂には展望の良い朝の時間帯に着き、小松原湿原もゆっくり散策できるが、車を回収するための自転車の走行を考えると、必然的に標高が低い見倉トンネルから登り始めた方が良いように思えた。 前日に下山口とした小赤沢コースの三合目に自転車をデポしに行ったが、車道の勾配が予想以上に急で折りたたみ式自転車のブレーキでは少し厳しいように思えたので、小赤沢集落から近い一合目の大瀬の滝に自転車をデポすることした。

   登山口の見倉トンネルの脇の駐車場を2時に出発。 登山道の入口には「見倉大栃入口」と記された道標があるのみだったが、そこから登山道を僅かに進むと「苗場小松原登山道」と記された地味な道標があり、明瞭な山道から左に外れて草に覆われた急で不明瞭な坂道を登っていくと間もなく踏み跡は明瞭になり、以後迷うような所はなかった。 登山口から1時間半ほどで地味な金城山を越え、周囲が明るくなった頃に小松原湿原の末端の中屋敷(中ノ代)と地図に記された小さな湿原に着いた。 湿原にはお目当てのワタスゲやコバイケイソウ・サラサドウダンが見られたが、早朝ゆえにワタスゲが朝露に濡れてしぼんでいたのが玉にキズだった。 中屋敷(中ノ代)から避難小屋の建つ上屋敷(上ノ代)までの間は大小の湿原に池塘が点在する別天地で予想どおり一見の価値があった。 上屋敷の端にひっそりと建つ少し古びた2階建ての避難小屋は窓があり、10名でも快適に泊まれるほどの広さがあった。 すぐ近くに沢があるのもありがたい。 訪れる人も少ない小松原湿原はどこか原始の雰囲気が漂う湿原で、いつか秋にここを再訪することを心に誓った。 もちろん避難小屋泊まりで。


登山道の入口(下山時の撮影)


登山道を僅かに進むと「苗場小松原登山道」と記された地味な道標があった


朝焼けの越後三山


中屋敷の最初の湿原


中屋敷の二つ目の湿原


上屋敷の池塘


上屋敷(上ノ代)の湿原


小松原避難小屋


避難小屋の内部


   避難小屋から先は顕著な尾根上に山が連続するようになり、最初のピークの日蔭山からはこれから向かう霧ノ塔や苗場山、そして鳥甲山の眺めが良かった。 霧ノ塔への急坂の登りでは、昨日の夕立と朝露で濡れた笹で靴と下半身が渡渉した時のようにズブ濡れとなってしまったのは想定外だった。 予想どおり登山口から小松原湿原を経て和田小屋からのルートと合流する神楽ケ峰の手前までは誰とも出会わなかったが、そこから先は大勢の登山者とすれ違った。 ホラ貝を携えた行者の一行から今日が山開きであることを知らされ、奇しくも二週続けて山開きの日に登ることになった。


避難小屋と日蔭山の間から見た日蔭山(右)と霧ノ塔(左)


日蔭山の山頂から見た苗場山


日蔭山の山頂から見た鳥甲山


日蔭山の山頂から見た妙高山(中央左)と火打山(中央右)


日蔭山の山頂から見た霧ノ塔


日蔭山と霧ノ塔の間から見た日蔭山


霧ノ塔と神楽ケ峰の間から見た苗場山


霧ノ塔と神楽ケ峰の間から見た神楽ケ峰


霧ノ塔と神楽ケ峰の間から見た谷川連峰


霧ノ塔と神楽ケ峰の間から見た霧ノ塔


神楽ケ峰と苗場山の間から見た苗場山


神楽ケ峰と苗場山の間から見た神楽ケ峰


   大勢の登山者で賑わう苗場山の山頂に10時半前に着き、山頂から少し離れた静かな場所で靴を乾かしながら1時間ほど頂上湿原越しの山々の風景を堪能する。 夏山特有の雲が湧き始め展望は次第に冴えなくなってきたが、一方で気温が上がった午後の下山を楽にしてくれた。 30台ほどの車が停まっていた小赤沢コースの三合目の駐車場から緩やかで良く手入れされた自然林の登山道を小1時間歩き、2時前に自転車をデポした一合目の大瀬の滝に着いた。 大瀬の滝から登山口の見倉トンネルまでの車道は8キロ(登りは2キロほど)で45分を要した。


苗場山の山頂湿原から見た岩菅山(中央)


苗場山の山頂湿原から見た佐武流山(中央)


苗場山の山頂


湿原に咲くワタスゲ


湿原に咲くチングルマ


小赤沢コースの三合目の駐車場


小赤沢コースの三合目から一合目までは緩やかで良く手入れされた自然林の登山道を歩いた


自転車をデポした小赤沢コースの一合目の大瀬の滝


登山口の見倉トンネルの脇の駐車場


2 0 1 8 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P