《 20日 》 田代山 ・ 帝釈山
川衣 〜 田代山 〜 帝釈山 (往復)
先週荒海山を登った時に南会津の残雪の少なさを体感し、田代山の湿原にはもうワタスゲが咲いているのではないかと思い、この機会に登ってみることにした。 田代山への最短ルートの湯ノ花温泉から栗山に抜けるの林道がまだ冬期通行止めなので、訪れる人はいないはずだ。 直前に相棒の妻が腰痛になってしまったため、図らずも2か月ぶりの単独行となった。
昼前から晴れるとの予報だったので、6時半に木賊温泉の先の川衣の集落の外れにある林道のゲート前の駐車スペースに車を停めて出発する。 勾配の殆どない林道を3キロほど歩き、壊れた道標の脇から田代山への登山道に入る。 意外にも道は良く踏まれていて登り易かった。 小沢を渡り急勾配の斜面を登って尾根に取り付く。 尾根も引き続き勾配が急だが、荒海山と同じようにシャクナゲが満開で目を楽しませてくれた。 登山道には一片の残雪もないが、標高が1700mを越えると、昨日の夜中に降った新雪が僅かに見られた。
コースタイムどおり林道のゲートから3時間ほどで田代山の山頂の湿原に着いたが、まだ天気は回復せず、霧に覆われた湿原は幻想的な雰囲気に包まれていた。 湿原を横断し、周囲に僅かに残雪がある避難小屋に向かう。 小屋の中でノートに記された利用者のコメントを読んだりしながらしばらく待機していると、陽射しが感じられるようになったので再び湿原に戻り、木道を一周しながら色々な風景を見て楽しむ。 予想どおり湿原には一片の残雪も無かったが、期待していたワタスゲはまだ蕾で、他に目立った植物は見られなかった。
今日の目的はこの田代山の湿原だったが、予報どおり天気が良くなったので、隣接する帝釈山に向かう。 登山道には所々に残雪が見られたが、残雪期用のテープ類も必要最低限あったので、ルーファンは容易だった。 朝方の悪い天気が嘘のように快晴無風の天気となり、コースタイムどおり避難小屋から1時間ほどで帝釈山に付いた。 シーズン前なので山頂の標柱が倒れていたので立て直す。 山頂からの展望は期待どおりで、女峰山を始めとする日光の山々や昨日の降雪で少し白さを取り戻した尾瀬の山々、そして遠く中ノ岳や越後駒ケ岳も望まれた。 尾瀬の水芭蕉が旬の今、敢えて帝釈山や田代山の湿原を訪れる人はなく、思惑どおりの静かな山行を楽しめた。