2  0  1  8  年    4  月  

《 21日 〜 22日 》    白砂山 ・ 上ノ倉山

   野反湖 〜 堂岩山 〜 猟師ノ沢ノ頭 〜 白砂山 〜 2060m地点(テント泊) 〜 上ノ間山 〜 忠次郎山 〜 上ノ倉山最高地点  (往復)

   今年の上信越の山の残雪は極めて異常だった2年前ほどではないものの、例年に比べて明らかに少ない。 GWの前半に白砂山をベースに佐武流山と上ノ倉山を2泊3日で登ろうと計画していたが、4月に入ってからの連日の気温の高さも手伝って、GWでは間に合わない状況になってしまったので、1週間前倒しして1泊2日で白砂山から上ノ倉山を登ることにした。 上ノ倉山は昨年のGWに苗場スキー場から日帰りで登り、いつか白砂山まで継続したいと思っていたが、今年中に群馬県が三国峠から白砂山までの登山道を整備するという情報があったため、その前に登っておきたいという思いが強かった。

   前日に冬期通行止めが解除された国道405号線の終点で登山口の野反湖畔に着くと、先週末に降った雨のせいか、周囲の山々の山肌の残雪は予想以上に少なかった。 釣りや登山者の車が散見される湖畔の駐車場を7時半前に出発。 登山口には辛うじて雪があったので、アイゼンを着けて登り始める。 新しい先行者のトレースがいくつか見られた。 幸か不幸か雪が少なかったので、ハンノキ沢の渡渉点に架かる木の橋を渡ることが出来た。 沢を渡った先の登山道の道型は明瞭でトレースもあるので、地蔵山への尾根を登る冬道は辿らずに登山道を登る。 間もなく登山道から雪が無くなったのでアイゼンを外したが、その後は幕場とした白砂山の先までアイゼンを着けることはなかった。 地蔵山を過ぎると登山道が再び雪で覆われるようになったが、次の堂岩山までの間は登山道の道型が不明瞭な部分が多く、先行者のトレースに助けられながら進む。 堂岩山の手前で下山してくる人達とすれ違った。 予定よりも少し早く11時前に堂岩山の山頂に着いた。 山頂の標柱はほぼ雪に覆われていたが、眼前の白砂山の山肌の残雪は予想以上に少なく愕然とした。


野反峠から見た野反湖


白砂山の登山口


ハンノキ沢の渡渉点に架かる木の橋を渡る


地蔵山への登山道には雪が無くなった


地蔵山から堂岩山へ


堂岩山の山頂直下から見た野反湖と本白根山


堂岩山の山頂


堂岩山の山頂から見た白砂山


   白砂山に向けて歩き始めると、ここから先のトレースは単独者のものだけとなり、先行者の殆どが堂岩山までだったことが分かった。 森林限界となった陽当たりの良い稜線の登山道は所々で雪が途切れていたが、猟師ノ沢ノ頭を過ぎると気温の上昇で雪が腐り始め、雪虫が大量に発生してとても不快だった。 山頂直下で先行していた単独者とすれ違うと、予想どおりその後は誰とも出会うことはなかった。 予定よりもだいぶ早い1時に4度目の白砂山(2139m)の山頂に着いた。 意外にも少ないと思われた山頂の積雪はまだ2m近くあり、標柱などは完全に雪に埋もれていた。 雑木が綺麗に雪に埋もれた山頂は360度の大展望で、目標の上ノ倉山など周囲の山々が良く見え、次の上ノ間山までの稜線には残雪がそこそこあるように見えて安堵した。


堂岩山から猟師ノ沢ノ頭へ


猟師ノ沢ノ頭から白砂山へ


猟師ノ沢ノ頭と白砂山の間から見た佐武流山


白砂山の山頂直下


白砂山の山頂


白砂山の山頂から見た上ノ倉山(中央)と忠次郎山(中央右)


白砂山の山頂から見た岩菅山(遠景)


   山頂を越えたすぐ先で佐武流山へ繋がる尾根を左に分け、上ノ間山への尾根を進む。 予想どおりトレースは皆無だが、意外にも雪の剥げている所には刈り払いされたばかりの新しい登山道が見られ、もしかしたらすでに登山道は完成しているのではないかと思えた。 幕場として考えていた2078m峰の手前の鞍部は予想以上に快適で、テントがいくつも張れそうなほど広かった。 また、明日辿る上ノ間山・忠次郎山・上ノ倉山が良く見え、ロケーションも予想以上に良かった。 風のない幕場は初夏のように暖かく、水作りも全く苦にならなかった。


白砂山から上ノ間山へ


白砂山から上ノ間山へ


2078m峰手前の快適な幕場


幕場から見た上ノ倉山(中央)と忠次郎山(中央右)


幕場から見た八間山越しの本白根山


   翌朝は幕場で朝焼けの景色を堪能し、周囲が明るくなった5時前に幕場を出発。 目と鼻の先の2078m峰の先も登山道は続き、ご来光を拝みながら労せずして最初のピークの上ノ間山(2033m)に着いた。 雪が少し剥げた狭い山頂には三角点の標石と古い金属製の山名板があった。 風が少しあるものの、予想どおり快晴の天気となりそうで嬉しい。 上ノ間山から次のピークの忠次郎山へも顕著な尾根を進むが、尾根が広い所では残雪があり、尾根が痩せてくると登山道が露出してくるので、危惧していた藪こぎは全くなかった。 当初は登山道が出来る前に白砂山から上ノ倉山を歩きたいと思っていたが、このまま登山道が上ノ倉山まで続いていることを期待している自分に笑えた。


幕場で朝焼けの景色を堪能する


上ノ間山の肩からのご来光


上ノ間山の山頂    背景は白砂山


上ノ間山の山頂から見た忠次郎山


   上ノ間山との鞍部から大らかな忠次郎山への登りは全く苦にならず、期待していた以上の稜線漫歩となった。 忠次郎山(2084m)の山頂は木々に覆われ、展望はそれほど良くなかったが、眼前に目標の上ノ倉山最高地点が大きく望まれた。 風も収まり、絶好の登山日和だ。 忠次郎山と上ノ倉山最高地点の間の狭いギャップは今日一番の核心部と思われたが、痩せた岩稜となっている区間は登山道を使えたので全く問題なかった。 当初の予定よりもだいぶ早く、8時前に待望の上ノ倉山最高地点(2120m)に着いた。 静かな山頂には反対方向からのトレースや人影はもちろんない。 昨年ここを訪れた時よりも1週間以上早いが、残雪の量は明らかに少なく、昨年は雪に埋もれていた古いプレートなどが幾つか見られた。 平標山や仙ノ倉山の山肌には黒い部分が目立ち、山頂からの展望は昨年よりも少し悪かったが、それ以上に目標の山に辿り着けたことが嬉しかった。


上ノ間山と忠次郎山の間から見た白砂山


刈り払いされたばかりの新しい登山道


上ノ間山と忠次郎山の間から見た上ノ間山


上ノ間山との鞍部から大らかな忠次郎山への登りは期待していた以上の稜線漫歩となった


忠次郎山の山頂直下


忠次郎山の山頂


忠次郎山の山頂から見た白砂山


忠次郎山の山頂から見た上ノ倉山最高地点


忠次郎山から上ノ倉山最高地点へ


忠次郎山から上ノ倉山最高地点へ


上ノ倉山最高地点の直下から見た忠次郎山


上ノ倉山最高地点


上ノ倉山最高地点から見た白砂山


上ノ倉山最高地点から見た苗場山


上ノ倉山最高地点から見た上ノ倉山と谷川連峰(右奥)


    帰路は時間がまだ早かったため雪の状態が良く、踏み抜きに苛まれることなく10時半過ぎに幕場に戻った。 テントを撤収して11時半に幕場を発つ。 背中の荷物は重くなったが、快晴無風の天気に足取りはまだ軽い。 白砂山の山頂には複数の日帰りの登山者の足跡が見られた。 白砂山から先では気温の上昇で雪が腐り始め、雪の溶けた登山口に4時半過ぎに着いた。


忠次郎山と上ノ間山の間から見た上ノ間山(左)と白砂山(右)


上ノ間山の山頂から見た忠次郎山


上ノ間山の山頂から見た白砂山


上ノ間山と2078m峰の間から見た上ノ間山


2078m峰と白砂山の間から見た白砂山


白砂山の山頂


堂岩山の山頂から見た白砂山


雪が溶けた白砂山の登山口


2 0 1 8 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P