2  0  1  8  年    3  月  

《 18日 》    燕巣山 ・ 四郎岳

   丸沼高原スキー場 〜 丸沼温泉 〜 四郎峠 〜 燕巣山 〜 四郎峠 〜 四郎岳 〜 四郎峠 〜 丸沼温泉 〜 丸沼高原スキー場  (往復)

   燕巣山(2222m)と四郎岳(2156m)は以前から日光や尾瀬の山々のピークから眺めていた山だが、地形図や登山地図に登山道は記されてなく、山頂からの展望も悪そうだということで、なかなか足が向かなかった山だ。 天気予報は晴れ時々曇りで、絶好の登山日和にはならないようだったので、静かさだけを求めて登ってみることにしたが、これはとんでもない誤りで、特に燕巣山は時期を選べば山頂からの展望にも秀でた素晴らしい山だった。

   夜間でも車が停められる丸沼高原スキー場の第3駐車場を4時に出発。 冬期通行止めの金精道路は積雪が少なく歩き易かった。 駐車場から金精道路を45分ほど歩き丸沼温泉への道に入った時、大切な地形図を車に置いてきてしまったことに気が付き愕然とした。 念のためGPSの地図を見てみると、意外にも登山道が記されていたので驚いた。 下山後に最新版の昭文社の登山地図を見ると、破線ながら登山道とコースタイムが記されていた。 マイナーな登山道が廃道化していく昨今、燕巣山は栃木百名山・四郎岳は群馬百名山のため、登る人が増えたのだろうか。 いずれにしてもGPSだけでも登れることが分かったので安堵した。 夜が明け、ほぼ全面結氷した丸沼湖畔から燕巣山と四郎岳が望まれたが、どちらもそれなりの山容で、登高意欲が湧いてくる。 駐車場から1時間半で登山口となる冬期休業中の丸沼温泉ホテル『環湖荘』に着いた。


丸沼高原スキー場の先にある金精道路の冬期通行止めのゲート


金精道路は積雪が少なく歩き易かった


ほぼ全面結氷した丸沼


冬期休業中の丸沼温泉ホテルから見た燕巣山


冬期休業中の丸沼温泉ホテルから見た四郎岳


   ホテルの前を通り丸沼に流れ込む四郎沢に沿って進むと、対岸に「四郎峠経由燕巣山登山口」と記された道標があり、飛び石伝いに沢の右岸に渡る。 雪は良く締まっていて歩き易い。 沢沿いには林道のような幅の広い道があり、所々に見られるピンクテープに導かれながら緩やかに登っていくと、意外にも最初の堰堤の手前から古いトレースが見られるようになった。 幾つかの堰堤をやり過ごすと枝沢が見られるようになったが、トレースとピンクテープのお蔭でGPSを見ることなく進めた。 やがて沢は雪で埋まり、登り易くなった。 雪の状態が良かったので、労せずして丸沼温泉から2時間少々で四郎峠に着いた。 「至丸沼/ここは四郎峠」と記された古い標識があるだけの地味な峠だったが、樹間からは燧ケ岳が見えた。 峠からのトレースは燕巣山の方向のみについていた。


四郎沢の右岸の林道のような幅の広い道


四郎沢の下部


四郎沢の下部から中間部へは幾つかの堰堤を越えていく


四郎沢の中間部


四郎沢の中間部


四郎沢の中間部から上部へ


四郎沢の上部は雪で埋まり、登り易くなった


四郎峠の直下


四郎峠


四郎峠から見た四郎岳


   山頂からの展望は燕巣山の方が良さそうだったので、予定どおり先に燕巣山を登る。 峠からすぐ先の1891mの小さなピークを越えた先の鞍部からは傾斜が増してきたのでアイゼンを着ける。 背後の四郎岳への登りはさらに急に見え、登るのが困難そうに思えた。 登山道は木々に覆われていたが、日光側の木々が切れている所があり、日光白根山や錫ケ岳が良く見えた。 山頂直下からは尾瀬の山々が樹間から見えるようになり足取りも軽くなる。 山頂付近は数日前に僅かに新雪があったようで、トレースはいつの間にか無くなっていた。 予定よりも早く四郎峠から2時間弱で純白無垢の燕巣山の山頂に着いた。 天気は予報よりも良く、雲一つない快晴の天気となった。 山頂は一部が雑木に遮られ360度の大展望ではないが、北東方向に発達した雪庇を辿って行くと、会津駒ケ岳の右奥に飯豊連峰も遠望され、逆光ではあるが日光や足尾の山々が一望され、そのユニークな景観に思わず小躍りしたくなるほどだった。


四郎峠から燕巣山へ


四郎峠と燕巣山の間から見た錫ケ岳と丸沼


四郎峠と燕巣山の間から見た四郎岳


四郎峠から燕巣山へ


燕巣山の山頂直下


燕巣山の山頂直下から見た四郎岳


燕巣山の山頂直下から見た日光白根山(左)と丸沼


燕巣山の山頂


燕巣山の山頂


燕巣山の山頂から見た根名草山


燕巣山の山頂から見た鬼怒沼山と鬼怒沼湿原


燕巣山の山頂から見た会津駒ケ岳


燕巣山の山頂から見た燧ケ岳


燕巣山の山頂から見た平ケ岳


燕巣山の山頂から見た那須連峰


   山頂で充分展望を楽しみ、意気揚々と四郎峠へ引き返す。 妻はもうお腹一杯のようだったが、時間はまだ早いので予定どおり峠から四郎岳に向かう。 四郎岳へのルートは北東に向いているため、積雪は燕巣山よりも多かった。 トレースは無くピンクテープも一部が雪に埋まっているためGPSを使いながら登る。 峠からすぐ先のトラバース地点もGPSのお蔭で上手く通過することができた。 登山道のある尾根は見た目ほど急峻ではなく安堵したが、気温の上昇で雪が柔らかくなり、登るのに骨が折れる。 樹間から見える背後の燕巣山は、丸沼の湖畔から見た穏やかな山容とは違う尖った面持ちで迫力がある。 足元の雪の柔らかさと硬さに一喜一憂しながら四郎岳から1時間半ほどで人待ち顔の四郎岳の山頂に着いた。 樹林に囲まれた地味な山頂は、唯一南面が開けているだけだったが、眼下に丸沼が良く俯瞰され、日光白根山の眺めが良かった。 燕巣山に比べれば展望は数段劣るが、この山を登らないかぎり一番絵になる燕巣山の雄姿は見られないのだから、登る価値は充分あった。 トレースのある下りは速く、山頂から四郎峠へは40分、四郎峠から丸沼温泉までは1時間で下れた。 予想どおり誰とも出会うことなく、燕巣山と四郎岳は一日中貸し切りだった。


四郎峠へ戻る


四郎峠から四郎岳へ


四郎峠と四郎岳の間から見た燕巣山


四郎岳へのルートは北東に向いているため、積雪は燕巣山よりも多かった


四郎峠と四郎岳の間から見た日光白根山(右端)と根名草山(左端)


四郎岳の山頂直下から見た燕巣山


四郎岳の山頂


四郎岳の山頂から見た日光白根山(中央)


四郎峠の手前のトラバース地点


四郎峠から丸沼温泉へ


丸沼湖畔から見た燕巣山


丸沼湖畔から見た四郎岳


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