《 25日 》 鉢盛山
野麦峠スキー場 〜 小鉢盛山 〜 鉢盛山 (往復)
3月最後の週末は上越国境を越え、新潟の山を登りたいと願っていたが、天気は甲信の方が良かったので、以前から気になっていた野麦峠スキー場から鉢盛山への尾根歩きをすることにした。 日帰りであれば登山口の野麦峠スキー場のリフトが動き出す前に出発するのが理想的だが、計画の変更で出発時間が遅れてしまったため、明日まで営業するという野麦峠スキー場のリフト(1500円)を2本乗り継いで登ることにした。
1本目のクワッドリフトが動く8時半に合わせてリフト券を買い、登山届をパトロールに提出して準備していると、年配の単独氏に声を掛けられた。 単独氏は地元の方で、すでに4回もこのルートを歩かれているとのことで心強かった。 単独氏の話ではこのルートを歩く人は少ないとのことだった。 単独氏と1本目のクワッドリフトに乗り雑談を交わすと、元々は横浜の方で今は麓の奈川にお住まいとのことだった。 72歳という年齢を伺って驚いたが、半月板を痛めているので今日は小鉢盛山までとし、下りはリフト(無料)を使うとのことだった。 ゲレンデトップまで行く2本目のペアリフトは9時から動くことになっていたが、今日は特別に8時半から動かしてくれたので、9時前にゲレンデトップに着くことが出来た。 単独氏の案内でゲレンデを少し下り、背丈より高い木の杭が並んだ樹林の切り裂きからゲレンデの外に出て尾根に取り付く。 眼前には小鉢盛山とその右奥に目指す鉢盛山の山頂が見えた。
取り付きでスノーシューを履き、小鉢盛山との間の鞍部へ下る。 今週は新雪が降ったが、意外にも新しい単独者のスノーシューのトレースがあったので、ルーファンやラッセルは不要だった。 左手の樹間からは時々乗鞍岳やその衛星峰、そして御嶽山が、右手の樹間からは先日登った美ケ原方面の山々や経ケ岳方面の山々が望まれたが、背の高い木々が多く、総じて展望は良くなかった。 尾根の幅は少し広いが、時々ピンクテープが見られるので、悪天候でなければ道を外すことはないだろう。 良いトレースに恵まれたので、スキー場から2時間足らずで中間点の小鉢盛山(2374m)に着いた。 山名板のない地味な山頂は展望にも恵まれない不遇な頂だった。
山頂でしばらく寛いでいると単独氏が登ってきたので、道案内のお礼をして鉢盛山に向かう。 トレースは小鉢盛山から先も続いていた。 小鉢盛山の長い頂上稜線をしばらく歩いてから鉢盛山との鞍部に下る。 木々の背丈は依然として高く、樹間も詰まったままなので、小鉢盛山までの区間と同じように展望は良くない。 広い鞍部から鉢盛山への最後の登りは、地形図では等高線の間隔が狭かったが、トレースに助けられ直登気味に登ることが出来た。 木々の背丈が低くなってくると雪が重くなり、スノーシューが下駄を履いて難儀する所もあった。 山頂直下からはさすがに新雪でトレースは消えていたが、予定よりも少し早い1時過ぎに20年ぶり2回目の鉢盛山の山頂に着いた。
山頂の傍らにある巨大な電波反射板はとても違和感があるが、地味な山頂を印象的なものに変えるということは確かだ。 電波反射板は前回の記憶よりも大きく感じた。 山頂からはようやく穂高連峰や北アルプスの山々が一望されたが、天気が予報よりも悪くなってしまい残念だった。
風のない穏やかな山頂でしばらく寛いでから往路を戻る。 単独氏が言ったとおり後続者の姿はなく、4時半にスキー場のゲレンデにトラバースしながら合流した。 スキー場の営業は4時までなのでスキーヤーの姿はなく、遠慮なくゲレンデの真ん中を下ったが、スキーを履いてきてデポしておけば良かったと思った。