《 5日 》 前袈裟丸山 ・ 後袈裟丸山
折場登山口 〜 小丸山 〜 前袈裟丸山 〜 後袈裟丸山 (往復)
舗装された車道の脇の駐車スペースを6時前に出発。 雪が凍った車道を1キロほど緩やかに歩いていくと、広い駐車場のみならず東屋やトイレがある立派な折場登山口に着いた。 陽当たりの良い登山口の周辺には雪がなく、昨日の阿能川岳の登山口の状況とは全く違った。 登山口から木の階段を登っていくとすぐに顕著な尾根の末端となり、左側には広大な笹原の谷が見られ、その向こうにこれから向かう袈裟丸山が美しく望まれた。 昨夜までは展望の良い郡界尾根が登れなくて残念だと思っていたが、この素晴らしい展望があることが分かっていれば、このルートで登るのも悪くない。 笹原には雪が殆ど無く、あちらこちらで鹿の姿が見られた。 天気は予報や予想よりも良く、空には雲一つない快晴となった。
気持ちの良い笹原の尾根を登り終えて樹林帯に入ると積雪が増えたが、古いトレースが残っていたのでツボ足のまま塔ノ沢登山口との分岐がある賽の河原に登山口から1時間少々で着いた。 塔ノ沢方面からは新しい複数のトレースが見られ、昨日も入山者がいたことが分かった。
賽の河原からは幅の広い尾根道となり、トレースは新旧合わせて幾筋も見られ、6年前の2月に来た時とは全く違い、幸か不幸かコースタイムどおりに歩けるようになった。 展望の良い小丸山(1676m)には予定よりもだいぶ早い8時半に着いた。 ここから先も前袈裟丸山まではトレースが期待出来るため、日溜りのように暖かい小丸山の山頂で、日光や足尾の山々の展望を愛でながら30分ほどゆっくり寛いだ。
小丸山から少し下った鞍部に建つ小丸山避難小屋には単独者の荷物がデポしてあり、意外にも避難小屋の傍らには立派なイグルーが作られていた。 避難小屋からは新しいトレースが二つあったので、各々一人ずつがここに泊まったということだろうか。 色々と想像しながら明るいシラカバの疎林に覆われたなだらかなピークを一つ越えると単独の男性が追い越して行った。 前回は心が折れそうなほどラッセルで苦労した前袈裟丸山直下の樹林帯の中の急斜面も今日は階段状のトレースで楽々登れた。
薄暗い樹林帯を抜けると緩やかで広い疎林の尾根となり、予定よりも早く10時半に前袈裟丸山(1878m)の山頂に着いた。 山頂の傍らからは指呼の間にこれから向かう後袈裟丸山が望まれ、武尊山や至仏山、そして谷川連峰の峰々が一望された。 山頂でしばらく寛いでいると単独の男性のお友達が二人登ってきた。
前袈裟丸山から先は新雪で古いトレースがリセットされ、避難小屋から出発した人達の新しいツボ足のトレースだけがあった。 ツボ足のトレースは凸凹で歩きにくかったのでスノーシュー(妻はワカン)を履いて鞍部に下る。 雪の嵩でシャクナゲなどの木々の枝が藪となって歩きにくい。 八反張のコルは全く問題なく通過出来た。 コルから後袈裟丸山への登りはやや急だったが、陽当たりが良いので雪が適当に柔らかく、スノーシューのままで登り切った。
前袈裟丸山から1時間ほどで後袈裟丸山の山頂に着いたが、先行者のトレースはさらに先の縦走路に向かっていたので、図らずも山頂は貸し切りとなった。 予想どおり郡界尾根からのトレースはなかった。 後続者はなく、静かな山頂でゆっくり寛いでから往路を戻る。 前袈裟丸山にはすでに誰いなかったが、そこから先も先ほどの3人パーティー意外のトレースはなかった。 小丸山の山頂でスノーシューを外し、身軽になって登山口に下った。 登山口付近で久々にカモシカと遭遇し、まだ陽の高い4時半に車に戻った。