《 25日 》 雨乞岳
石尊神社 〜 雨乞岳 (往復)
2月も終盤になり、春の気配が感じられるようになってきた。 週末は弱い冬型だが土日とも風が弱いという予報だったので、日曜日に木曽の仏谷、土曜日はその途中に位置する山の中から南アルプス前衛の雨乞岳を登ることにした。
6時半に石尊神社前の駐車場を出発。 4年前の2月にヴィレッジ白州からの登山道でこの山を登った時には誰とも会わなかったが、今日も予想どおり駐車場には他の車はなかった。 積雪は少ないと思われたが、トレースは期待出来ないのでスノーシューを一つだけ持っていくことにした。 登山口付近の積雪は皆無で、歩き始めてから1時間以上経ってからようやく登山道を雪が覆うようになった。 石尊神社から雨乞岳に登るのは13年ぶりで、登山道の記憶は全く残っていなかったが、登山道が凹状に深く掘れていたので、雪ならず大量に堆積した落葉をラッセルしながら歩く。 麓のサントリーの工場がこの山の地主なのか、杉の植林などは見られず終始自然林の中を歩けたので、鹿意外に久々にリスの姿を見ることが出来た。 小鳥の鳴き声も桜の花が咲く頃のような勢いを感じた。
中間点のホクギノ平(1600m)の手前から積雪はそれなりに多くなったが、登山道の道型は明瞭でルーファンの必要は殆どなく、最近の三寒四温の天気で雪が良く締まっていたのでラッセルも不要で、コースタイムよりも少しオーバーするくらいのペースで歩けた。 水晶ナギへの分岐の先の1800m付近の平坦地はルーファンに時間が掛かると予想していたが、標識や目印があり、雪がある方がむしろルートが分かり易いという感じがした。 山頂直下のカラ松の急斜面では積雪が急に増えて登りにくくなったのでスノーシューを履いて登ったが、スノーシューを履かなくても何とか登れそうな程度の積雪だった。
予定よりも少し早く正午前に新しい山梨百名山の標柱の立つ雨乞岳(2036m)の山頂に着いた。 意外にもヴィレッジ白州方面からのトレースもなかったので、ここしばらくは誰もこの山の山頂を訪れていないことが分かった。 陽射しに恵まれた山頂は暖かかったが、少しだけ吹いていた風はまだ冬の冷たさが残っていた。 日向山から大岩山に続く稜線の向こうに地蔵岳、高嶺、甲斐駒ケ岳が並んで見えるこの山からの展望はユニークだ。 八ケ岳の上空には雲一つなかったが、富士山には雲が湧いていた。 静かな山頂でゆっくり寛ぎ、12時半に山頂を後にする。 予想どおり後続者の姿は無く、登山口の石尊神社前の駐車場にはまだ陽の高い3時半に着いた。
道の駅『信州蔦木宿』で明日の天気予報をチェックすると、各社の予報はまちまちで、予定している仏谷に行くかどうかをしばらく悩んだが、風が弱いという予報は変わらなかったので車を木曽に向けて走らせた。