《 7日 》 四阿山 ・ 根子岳
菅平牧場 〜 中四阿 〜 四阿山 〜 根子岳 〜 菅平牧場 (周回)
今年初めての三連休は冬型が緩むが、初日が快晴で二日目以降が曇天という悩ましい予報となり、この時期としては緯度の高い菅平の四阿山と根子岳に行くことにした。 結果的には快晴の天気に恵まれ、日帰りのコンパクトな行程ながら充分に雪山の展望を楽しめた。
除雪されていた菅平牧場の駐車場に車を停めて7時半に出発。 さすがに天気の良い三連休の初日で、ここからは四阿山と根子岳の両方に登れるため、すでに駐車場には5〜6台の車があった。 スキー場よりも上にある標高1600m弱の駐車場は気温がマイナス13度と非常に寒いが、展望はとても素晴らしく、頸城や北アルプスの山並みが一望出来た。 駐車場付近の積雪の少なさと、正月の入山者から判断してスノーシューでは過剰だろうと思いワカンを持っていくことにした。 車道を数分歩き、四阿山への道標に従って牧場の脇の登山道に入る。 意外にも天気の良かった正月の後に降雪があったようで、古いトレースは消えかけ、単独の先行者の靴跡だけが見られた。 雪はそれほど多くないが、5分ほど登るともうワカンの方が歩き易くなってきたので、この状況から判断して四阿山と根子岳の間のトレースは消えているばかりか、積雪は予想よりも多いと思われたので、車に戻ってスノーシューに替え、登山口から履いていくことにした。 菅平牧場から四阿山に登ったことはなかったが、行程中の殆どが緩やかな勾配だったので、積雪期にはスノーシューで登るのがベストでワカンはミスチョイスだった。 先行している単独者も間もなくワカンに履き替えていた。
気温はまだマイナス10度くらいだろうが、ありがたいことに風は全くなく、陽射しが強いので寒さは感じない。 白樺の樹間から北アルプスが終始見える菅平牧場からのルートは素晴らしいが、積雪期には四阿高原からのルートが一般的なので、前後には人影が全く見えない。 予想どおりコースタイムよりも少し遅れて猫の額ほどの狭い中四阿(2106m)を通過する。 展望の良い中四阿からは根子岳の展望が良い。 中四阿から先では積雪が一段と増したが、先行者のワカンのトレースのお蔭で快適に登ることが出来た。
山頂の手前で四阿高原からのルートと合流すると、こちらは踏み固められたトレースがあり、ワカンやスノーシューを履いている人は誰もいなかった。 間もなく根子岳との分岐に着くと、予想どおり根子岳方面へのトレースなかった。 分岐の先で先行していたトレースの主に追いついたのでトレースのお礼を言ったが、やはりワカンでのラッセルは大変だったようで、今日はもう根子岳へは縦走しないとのことだった。 さすがに頂上稜線では風が少し吹いていたが、良いトレースに恵まれたため、ほぼ予定どおり11時半過ぎに四阿山(2354m)の山頂に着いた。 もう何度も同じ時期に同じ展望を見ているので新鮮さはないが、それでも本当にこの山からの大展望は素晴らしく、それが何度もここに足を運ばせるのだろう。
重い腰を上げて正午過ぎに四阿山の山頂を発ち根子岳へ向かう。 根子岳へは無雪期とスキーで2回登ったことはあったが、四阿山から縦走したことはなかった。 意外にも根子岳との分岐まで戻ると、新しい単独者のワカンのトレースが見られたので、またまたトレース泥棒で核心部をやり過ごせそうだった。 木々の枝に付けられたピンクのテープはまだ雪に埋もれていなかったので、トレースは樹間の詰まった急斜面を登山道どおりに下っていた。 下り始めてすぐに今度は根子岳方面から単独者がワカンで登ってきたので、トレースは一層明瞭になり、予想以上に早くまた楽に根子岳に着けそうだった。 樹林帯の急斜面を転がるように一気に下ると、東西に明るく開けた四阿山と根子岳の間の広い鞍部の笹原(雪原)に着いた。 鞍部は風の通り道となっていないようで積雪は予想以上に多かったが、ここから見た根子岳は菅平牧場から見た穏やかな山容とは違うシャープな面持でとても印象的だった。
快晴無風の天気は続き、鞍部からの登り返しも全く苦にならず、足取りは四阿山への登りよりもむしろ軽いくらいだ。 ワカン特有の穴ぼこのトレースをスノーシュー2台で綺麗に仕上げていくが、これもまた明日からの降雪で綺麗にリセットされてしまうだろう。 次第に山頂がはっきり見えてくる四阿山を眺めながら登っていくと、後続の二人パーティーが眼下に見えた。 当初の予定よりも1時間ほど早く2時前に根子岳の山頂に着く。 菅平牧場からのみならず、峰の原スキー場からも短時間で登れるため、この時間帯でも登山者が数名見られた。 春霞で頸城や北アルプスの山々の眺めは冴えなくなってしまったが、志賀高原の山々を筆頭に周囲の雪山の展望を充分楽しめた。
根子岳の山頂から登山口の菅平牧場へは踏み固められたトレースをスノーシューを履いたままほぼ一直線に下る。 途中の笹原の中のシラカバ林はとても美しく、退屈することなく駐車場まで下ることが出来た。